こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。
叢生（そうせい）とは、歯が正しい位置に生えず、重なり合っている状態を指します。歯並びが悪く矯正治療を検討している場合「ワイヤー矯正は目立つから避けたい」「マウスピース矯正で治せないのか？」と考えている方もいるでしょう。
この記事では、叢生の原因や放置するリスク、マウスピース矯正での治療が可能なケースを解説します。マウスピース矯正のメリットやデメリット、他の選択肢となる治療法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
叢生とは
叢生とは、歯が適切な位置に並ばず、重なり合ったり前後にずれたりして生えている状態を指します。乱ぐい歯や八重歯と呼ばれる状態も、叢生の一種です。
叢生は、見た目の問題だけでなく、虫歯や歯周病のリスクが高まる原因になります。噛み合わせが悪くなって顎関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こしたり、肩こりなどの原因になったりすることもあります。
軽度の叢生であれば短期間で治療が完了することもあります。重度の場合は抜歯を行い、歯を並べるスペースを作った上で矯正治療を進めなければならない可能性があります。
叢生の原因
叢生が起こる主な原因は、以下のとおりです。
顎が小さい
顎が小さいと、歯が並ぶスペースが足りずガタガタに生えて叢生になります。顎の大きさは遺伝の影響を受けることが多く、親から受け継いだ骨格が叢生に関係する可能性があります。
特に、アジア人は欧米人と比べて顎が小さい傾向があり、叢生が発生しやすいとされています。
歯のサイズが大きい
顎に対して歯のサイズが大きすぎると、歯が重なり合って叢生を引き起こします。歯の大きさも遺伝によって決まることが多く、家族にも同じような症状が見られる場合があります。
乳歯を早期に喪失した
乳歯が虫歯や外傷などで通常より早く抜けると、周囲の歯がそのスペースを埋めるように移動してきます。その結果、永久歯が本来の正しい位置に生えられなくなり、叢生が引き起こされます。
幼少期の悪習癖による影響
幼少期の指しゃぶりや舌で歯を押す癖（舌突出癖）、口呼吸は、歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。特に、前歯の位置がずれることで、叢生が発生しやすくなります。
これらの癖は、歯並びだけでなく顎の正常な発育を妨げ、噛み合わせを悪化させる原因となることもあります。
親知らずの影響
親知らずの生えるスペースが不足している場合、他の歯を押し出すような力がかかり、歯並びが乱れることがあります。既に整っていた歯並びが崩れ、叢生が生じることがあります。
叢生をそのままにするリスク
叢生を放置すると、見た目の問題だけでなく、口腔内および全身の健康にもさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。以下に、叢生をそのままにするリスクについて解説します。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
叢生があると、歯が重なり合って歯ブラシが届きにくい場所が生まれます。そのため、食べかすやプラークを磨き残しやすくなります。
プラークとは、お口の中の虫歯菌や歯周病菌など、さまざまな細菌が塊となったものです。放置すると、虫歯や歯周病などのトラブルを引き起こす原因になります。
汚れが除去しにくい状態となる叢生は、虫歯や歯周病のリスクを高める原因になります。
咀嚼機能が低下するリスクがある
叢生で上下の歯が正しく噛み合わないと、食事の際にしっかりと噛み切ったり、噛み砕いたりするのが難しくなることがあります。しっかり咀嚼せずに食べ物を飲み込むと胃腸に負担がかかるため、将来的に内臓疾患のリスクが高まる可能性もあります。
顎関節症のリスクが増加する
叢生で噛み合わせが悪くなると、無理な力が顎の筋肉や関節にかかり続け、顎関節症になるリスクが高くなります。顎関節症は、顎の痛みやこわばり、頭痛、耳鳴りなどの症状を引き起こすことがあります。
発音が不明瞭になるリスクがある
歯並びの乱れによって、特定の音が発音しにくくなることがあります。特に、サ行やタ行の発音が不明瞭になりやすいです。
発音の問題が長期間続くと、コミュニケーションに支障をきたし、会話への自信を失うことがあります。
見た目に影響を及ぼす
歯並びの悪さは口元のバランスを崩し、顔の印象にも影響を与えます。特に、目立ちやすい前歯に叢生があると、口元が出っ張って見えたり、笑顔に自信を持てなくなったりすることがあります。
マウスピース矯正で叢生は治せる？
マウスピース矯正は、叢生の治療も可能です。
しかし、すべての叢生がマウスピース矯正で治療できるわけではありません。症状の程度や歯の状態によっては、他の治療方法のほうがスムーズに治療を進められる場合もあります。
マウスピース矯正での治療が可能かどうかは、詳細な検査やシミュレーションをしたうえで判断されます。一般的には、軽度から中等度の歯列の乱れであれば対応可能です。歯が少し重なっている程度であれば、マウスピースで徐々に歯を動かし正しい位置へ導くことが可能でしょう。
マウスピース矯正で叢生を治すメリット
マウスピース矯正で叢生を治すメリットは、以下のとおりです。
装置が目立ちにくい
マウスピース矯正で使用するマウスピースは透明で目立ちにくいため、矯正治療をしていることが周りの人に気づかれにくいです。特に、接客業など人前に出る機会が多い方にとって、矯正中の見た目は非常に重要です。
マウスピース矯正なら、矯正治療中でも笑顔に自信を持つことができ、心理的な負担を軽減できます。
痛みが少ない
マウスピース矯正は、弱い力で歯を徐々に動かすため、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ないとされています。そのため、不快感が少なく快適に治療を進めることができます。
取り外しができる
マウスピースは取り外しが可能で、食事や歯磨きの際に外すことができます。これにより、口腔内を清潔に保ちやすくなり、虫歯や歯周病のリスクを軽減できます。
食事制限がほとんどない
マウスピースは食事の際に取り外すため、食事制限がほとんどありません。硬い食べ物や粘着性のある食べ物で装置を破損する心配がないため、好きな食べ物を楽しみながら治療を進めることができます。
マウスピース矯正で叢生を治すデメリット
マウスピース矯正で叢生を治すデメリットも確認しましょう。
適応できないケースがある
マウスピース矯正は、歯が大きく重なり合っている重度の叢生の場合、対応が難しいことがあります。特に、抜歯をして歯を動かすスペースを作る場合、マウスピース矯正のみで治療を完了させるのが難しく、ワイヤー矯正を併用することもあります。
治療期間が長くなる可能性がある
マウスピース矯正では1枚のマウスピースで動かせる歯の距離が限られているため、歯並びが重度に乱れている場合、治療期間が長くなることがあります。
大きく歯を移動させる必要があるケースでは、ワイヤーを使って強い力をかけられるワイヤー矯正のほうが短期間で治療を完了できるかもしれません。
自己管理が必要
マウスピース矯正では、1日20時間以上のマウスピースの装着が求められます。装着時間を守らないと、計画通りに歯が動かず、治療期間が延びたり、最終的な歯並びが理想的な形にならなかったりする可能性があります。
また、食事や飲み物をとる際には、その都度マウスピースを取り外す必要があるため、人によっては負担に感じるでしょう。
紛失・破損のリスクがある
マウスピース矯正は、取り外しが可能であるという利点がありますが、その一方で紛失や破損のリスクも伴います。特に、食事の際に外したマウスピースをティッシュなどに包んでそのまま捨てたり、持ち運び中に紛失したりすることも少なくありません。
マウスピースを紛失、破損すると、新しいものを作り直す時間や費用が必要になることがあります。治療をスムーズに進めるためにも、マウスピースの管理に十分注意することが重要です。
歯を削る処置が必要になる場合がある
叢生を改善するためには、歯を並べるためのスペースを確保しなければなりません。マウスピース矯正では抜歯をせずに治療を進めることが多いため、その代わりに歯と歯の間を削るIPRという処置が行われることがあります。
IPRでは、エナメル質の側面を削ることで歯を移動させるスペースを確保します。削る量が多いと知覚過敏のリスクが生じたり、歯の強度が若干低下したりすることがあります。
また、削った部分が虫歯になりやすくなる可能性もあるため、処置後のケアが重要になります。歯を削ることに抵抗がある場合は、治療計画の段階で歯科医師と十分に相談することが大切です。
マウスピース矯正以外で叢生を治療する方法
叢生を治療する方法は、マウスピース矯正以外にワイヤー矯正が挙げられます。ワイヤー矯正は、ブラケットと呼ばれる部品を歯の表面に接着し、ワイヤーを通して歯に力をかける治療法です。
金属製のブラケットが一般的ですが、最近では目立ちにくい透明なプラスチックやセラミック素材のブラケットを使用するケースも増えています。
また、目立ちにくいワイヤー矯正の方法として裏側矯正もあります。歯の裏側にブラケットを装着する方法です。外からは装置が見えにくいため、審美性に優れていますが、装着感や発音に影響が出ることがあります。
まとめ
叢生は、見た目だけでなく健康にも影響を及ぼすため、適切な治療が必要です。マウスピース矯正は目立ちにくく、取り外しが可能なため人気の治療法ですが、適応できるかどうかは歯科医師に診断してもらう必要があります。
歯並びにお悩みの方は、まず歯科医院で相談し、自分に合った矯正方法を見つけてください。
マウスピース矯正を検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みを癒すだけでなく生活の質を向上できる歯科治療を目指して診療を行っています。小児矯正・小児歯科や成人矯正、虫歯・歯周病治療、ホワイトニングなどさまざまな治療を行っています。