こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。
「最近、口の臭いが気になるけれど、もしかして歯周病のせい?」とお悩みではありませんか。口臭はさまざまな原因で起こりますが、歯周病が原因となっているケースも少なくありません。
歯周病は、15歳以上の日本人の約半数にその症状が認められるほど身近な病気です。症状が進行するほど口臭も強くなりますが、徐々に進行するため本人はその臭いに慣れ、自分では強い臭いに気づかない場合もあります。
この記事では、歯周病による口臭の特徴や原因、自分でできるチェック法、さらに予防や治療の方法について詳しく解説します。口臭が気になる方や歯周病にお悩みの方は、この記事を参考にしてみてください。
歯周病の臭いの特徴
歯周病になると口から特有の臭いがすることがあります。一般的に、次のような臭いに例えられることが多いです。
- 腐った玉ねぎや卵のような腐敗臭
- 鉄のような金属臭
- 生臭い魚や血のような臭い
この臭いを周囲の人に指摘されて気づくケースも珍しくありません。また、歯周病による口臭は、食べ物や飲み物による一時的な臭いとは異なり、歯磨きやうがいをしても改善されないのが特徴です。
歯周病の臭いの原因
では、歯周病になるとなぜ臭いが発生するのでしょうか。その原因を見ていきましょう。
歯周病菌によるもの
歯周病による口臭の主な原因は、歯周ポケット内で繁殖する細菌です。歯周ポケットとは、歯と歯茎の境目にある溝で、歯周病が進行すると歯周ポケットも深くなっていきます。歯周ポケットの奥までは歯ブラシが届きにくく、ケアが難しい場所になります。
歯周ポケット内で繁殖した細菌が食べかすや歯垢を分解し、メチルメルカプタンなどの悪臭を放つガスを生成します。これが歯周病特有の臭いの原因となり、歯周ポケット内での細菌活動が進行するほど、臭いが強くなる傾向にあります。
出血や膿によるもの
歯周病が進行すると、歯茎が炎症を起こし、出血したり膿が溜まったりすることがあります。膿の中には細菌や細胞の死骸が含まれており、悪臭を生み出します。これにより、口腔内の環境が悪化し、臭いがさらに強くなることがあります。
自分でできる口臭チェック法
自分では気が付きにくい口臭ですが、気になる場合は以下の方法でセルフチェックが可能です。
コップやビニール袋を使う
コップに息を吐き、いったん手などで蓋をしてからコップの中の臭いを嗅いでみてください。少しでも臭いが感じられる場合は、口臭が発生している可能性があります。コップの代わりにビニール袋を使うこともできますが、その際は袋自体ににおいがないものを選びましょう。
歯間ブラシやデンタルフロスを使う
歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯と歯の間を掃除し、使用後の臭いを嗅いでみてください。臭いが強い場合や、出血する場合は口臭が発生している可能性があります。
舌をチェックする
鏡を使って舌の表面に白っぽい苔のようなものが付着していないか観察してみましょう。多く付着している場合、細菌が繁殖し、口臭が発生している可能性があります。これは舌苔と呼ばれ、舌の表面にあるデコボコに口内の細菌などが溜まり、苔状になって付着したものです。
ティッシュなどで舌苔を拭き取り、その臭いを嗅いでみましょう。自分で臭いが強いと感じた場合は、口臭が発生している可能性があります。
口臭チェッカーで確認する
市販されている口臭チェッカーを使えば、口臭の強さを数値で確認することができます。また、歯科医院で口臭検査を受けることで、より正確な診断を受けることができます。
歯周病の臭いを予防・ケアする方法
歯周病による口臭を予防・ケアするためには、以下の方法が効果的です。
丁寧に歯磨きをする
歯ブラシを正しく使い、歯垢をしっかりと除去しましょう。特に、歯と歯茎との境目は、磨き残しがないよう丁寧に磨くことが大切です。また、どれだけ丁寧に磨いていても歯と歯の間には磨き残しが生じやすいです。歯間ブラシやデンタルフロスを併用して清掃しましょう。
舌を清掃する
舌苔は細菌の温床となるため、舌ブラシを使用して優しく清掃しましょう。舌ブラシは奥から手前に向かってやさしく動かし、使用後はよく洗って乾燥させましょう。舌の清掃は、週に2〜3回程度行うと良いでしょう。
洗口液を使用する
抗菌効果のある洗口液を使用すると、細菌の増殖を抑えることができます。
ただし、洗口液だけでは歯垢は除去できません。歯ブラシで歯垢を除去してさらに洗口液を使用することで、その効果が十分に発揮されます。
生活習慣を改善する
口腔内の細菌を洗い流し、口臭を防ぐ役割を果たす唾液を分泌させるために、ガムを噛んだり水分をしっかり摂ったりしましょう。食事の際によく噛むことも唾液の分泌を増やす効果があります。
また、喫煙は歯周病のリスクを高め、口臭を引き起こす口腔環境を悪化させる原因となります。禁煙やバランスの取れた食事、定期的な運動など、生活習慣を改善することで、口腔内の健康を保ち、口臭を予防することができます。
歯周病の治療法
歯周病の治療法にはいくつかの方法があります。以下に、歯科医院で受けられる主な治療法をご紹介します。
スケーリング・ルートプレー二ング
歯周病の基本的な治療には、スケーリングとルートプレーニングがあります。これは、専用の器具を使用して歯石や歯垢を取り除き、歯の表面を滑らかにすることで、歯周病菌の繁殖を抑える処置です。歯茎が健康な状態になれば、口臭も改善されることが期待できます。
ブラッシング指導
日常のセルフケアを向上させるためにブラッシング指導も行われます。歯ブラシの持ち方や動かし方、力の入れ方などの指導を受けます。ブラッシング指導の際には、歯垢を赤く染め出して、磨き残しをチェックすることもあります。
正しい歯磨き方法を身につけ、日常のセルフケアの質を向上させることで、歯周病の進行を抑え、健康な歯周組織を維持することができます。
歯周外科治療
基本治療で歯周病の改善が見込めない場合は、外科治療が行われることがあります。
例えば、フラップ手術は、歯茎を切開して歯根の深部に付着した歯石を除去し、歯茎を再び縫合する手術です。この手術により、歯周ポケットを浅くし、歯周病の進行を抑えることができます。
また、特殊な材料を用いて失われた骨や歯周組織を再生させ、歯の安定性を回復させる再生療法が行われることもあります。
メンテナンス
歯周病の治療後は、定期的なメンテナンスが欠かせません。歯科医院での定期検診では、歯周病が再発していないかを確認します。定期的に歯科医院で検診を受けていれば、歯周病が再発していても、早期に発見・対処できるでしょう。
また、クリーニングによって歯石や歯垢を除去することで、歯周病の再発リスクを低減し、健康な歯周組織を保つことができます。
歯周病以外の口臭の理由
歯周病以外にも、さまざまな理由で口臭が発生することがあります。以下に主な原因を詳しく解説します。
虫歯や詰め物の劣化
虫歯が進行すると、細菌が増殖し、腐敗臭のような口臭を引き起こすことがあります。また、詰め物や被せ物が劣化して隙間ができると、食べカスや細菌が溜まって、臭いの原因となることがあります。
全身疾患
胃腸の不調や糖尿病、肝臓病、腎臓病などの全身疾患も口臭の原因になります。例えば、胃酸が逆流することで口臭が発生する場合があります。また、糖尿病の方の場合、血糖値が高い状態が続くとケトン体という物質が生成されて甘酸っぱい口臭がすることもあるでしょう。
ドライマウス(口腔乾燥症)
唾液の分泌量が減少すると、口腔内の自浄作用が低下し、細菌が増殖しやすくなります。これにより口臭が強くなることがあります。ドライマウスはストレスや薬の副作用、加齢が原因で起こることが多いです。水分補給や唾液の分泌を促すガムの使用が効果的です。
食生活の影響
ニンニクやねぎ、アルコールなどの食品や飲み物は、一時的に強い口臭を引き起こすことがあります。これらの臭い成分は血流を通じて肺に運ばれ、息として排出されるため、口腔ケアだけでは取り除けません。
まとめ
口の臭いが気になる場合、その原因が歯周病である可能性を見逃さないことが重要です。歯周病による口臭の特徴や原因を理解したうえで、適切に予防することと治療を受けることが大切です。また、早期発見と治療のために歯科医院で定期検診を受けるとよいでしょう。
歯周病にお悩みの方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みを癒すだけでなく生活の質を向上できる歯科治療を目指して診療を行っています。小児矯正・小児歯科や成人矯正、虫歯・歯周病治療、ホワイトニングなどさまざまな治療を行っています。