こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。
虫歯は、初期に発見できれば簡単な治療で治せたり、日々の口腔ケアの改善で対処できたりする可能性もあります。
しかし、初期の虫歯は痛みなどの症状が出ない場合がほとんどで、痛みが出たときには既に虫歯が大きく進行していることも珍しくありません。虫歯の初期症状を知っておくことで、早期に虫歯に気づき、進行する前に対処できるでしょう。
今回は、虫歯の初期症状や治療法について詳しく解説します。虫歯の初期症状が現れたときの対処法や虫歯予防の方法などもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
虫歯になる仕組み
虫歯は、主に口腔内に存在する細菌によって引き起こされます。
口の中には様々な細菌が潜んでおり、その中の1つがミュータンス菌と呼ばれる虫歯の原因菌です。ミュータンス菌は、飲食物に含まれる糖分を栄養にして増殖し、プラークを形成します。
また、ミュータンス菌は糖分を分解して酸を生成し、歯の表面のエナメル質を溶かす脱灰を起こします。酸によって溶かされたエナメル質を修復する働きを再石灰化といい、通常は脱灰と再石灰化のサイクルを繰り返しています。
しかし、糖分の摂取回数が多くなると再石灰化が間に合わず、脱灰が進行してエナメル質がどんどん溶かされ虫歯になるのです。
放置すると、エナメル質の奥の象牙質まで虫歯が広がり、次第に強い痛みが伴ったりしみたりするなどの症状が生じるでしょう。
虫歯の初期症状6つ
虫歯の主な初期症状には、以下の6つが挙げられます。
- 歯と歯茎の間が白くなる
- 歯が茶色くなる
- 冷たい物や甘い物がしみる
- 食べものが歯につまる
- 歯の溝に黒い点がある
- フロスがひっかかる
それぞれ詳しく解説します。
歯と歯茎の間が白くなる
虫歯の初期症状として、歯と歯茎の間に白く白濁する部分が現れることがあります。歯の表面を覆っているエナメル質が、溶け始めている時に現れます。
この段階では、まだ痛みを感じることはありません。早めに歯科医院を受診し治療を行うことで、進行を食い止められます。
歯の表面は自分でも気がつきやすい場所なので、定期的にチェックしてみましょう。
歯が茶色くなる
歯の表面が茶色く変色している場合も、虫歯の初期症状のサインです。歯と歯茎の間が白く白濁した状態よりも、虫歯が進行しています。象牙質が露出し始めると、このような変色が見られることが多いでしょう。
また、以前に治療した歯の詰め物の周辺が変色している場合も、虫歯が再発している可能性が高いです。虫歯が深刻化する前に、早めに治療を受けましょう。
冷たい物や甘い物がしみる
冷たい物や甘い物がしみる症状も、虫歯の初期症状の一つです。歯のエナメル質や象牙質が溶かされ、歯の神経が刺激を受けやすい状態になっているということです。
できるだけ早く歯科医院を受診し、治療を受けてください。
食べ物が歯につまる
食べものが同じ場所につまりやすいのも、虫歯の初期症状に挙げられます。虫歯により歯に穴が開いている可能性があるでしょう。
特に、今まで食べ物がつまらなかった場所に繰り返しつまるようになった場合は、注意が必要です。放置すると虫歯がさらに進行する恐れがあるため、早めの対策が求められます。
歯の溝に黒い点がある
奥歯の虫歯の初期症状では、歯の溝や隙間に黒い点が見えることがあります。虫歯が進行し、エナメル質や象牙質が徐々に溶けていく過程で現れる虫歯のサインです。
特に、奥歯の溝は食べかすや細菌が溜まりやすいため、虫歯になりやすい場所といえます。痛みを感じなくても虫歯が発生している可能性が高いため、歯科医院を受診しましょう。
フロスがひっかかる
フロスを通した際に同じところで引っかかる場合、そこに虫歯があるかもしれません。虫歯が発生すると歯の表面がざらつくため、フロスが引っかかりやすくなるのです。
今までフロスがスムーズに通っていた場所に引っかかりを感じる場合は、歯科医院を受診してチェックしてもらいましょう。
虫歯の初期症状があらわれたときの対処法
上述した虫歯の初期症状があらわれたときは、なるべく早めに歯科医院を受診しましょう。虫歯を早期発見・治療できれば、簡単な治療で改善できる場合が多いです。
初期虫歯の進行具合を自分自身で判断することは難しいため、歯科医院で適切な判断と対処を受ける必要があります。
しかし、すぐに歯科医院を受診できない場合もあるでしょう。その場合は、虫歯をこれ以上進行させないように、正しいブラッシングを心がけてください。
丁寧にブラッシングを行い、プラークや食べカスをしっかりと取り除きましょう。歯ブラシの他にも、デンタルフロスや歯間ブラシを使用すれば歯と歯の間の汚れも効果的に除去できます。
また、フッ素が配合された歯磨き粉の使用も、虫歯の進行を防ぐのに有効です。フッ素には、再石灰化を促したり虫歯菌の働きを抑えたりする効果があります。毎日の歯磨きで積極的に活用しましょう。
他にも、糖分の摂取を控えるなど、食生活を見直すことも虫歯を進行させないためには重要です。
初期虫歯を放置していると、気づかないうちに進行して重症化します。自己判断で様子を見るのではなく、早めに歯科医院を受診しましょう。
定期的に歯科医院を受診し、口腔内に問題が起きていないか確認してもらうのが理想です。定期検診とセルフチェックを継続することで、虫歯の初期症状を見逃す可能性を低減できます。
初期の虫歯を治療する方法
初期虫歯を治療する方法には、以下の4つが挙げられます。
- フッ素塗布
- PMTC
- ブラッシング指導
- レジン充填
それぞれ詳しく解説します。
フッ素塗布
初期の虫歯に対して最も一般的な治療方法が、フッ素塗布です。虫歯がエナメル質の表面にとどまっている初期虫歯の場合は、フッ素を塗布して経過観察することが多いでしょう。
フッ素には再石灰化を促す作用があるため、虫歯の進行を食い止められます。また、定期的なフッ素塗布は虫歯予防に効果的です。
PMTC
PMTCとは、国家資格を持つ歯科医師や歯科衛生士が行う、専門的な歯のクリーニングのことです。PMTCを行って歯の表面のプラークや歯石、バイオフィルムなどを除去すれば、虫歯の原因菌を減らせるため初期虫歯の進行を食いとめるのに効果があります。
また、PMTCでは、歯の表面をツルツルに磨いて汚れや細菌を付着しにくくします。そのため、定期的に行えば虫歯予防に効果的です。
ブラッシング指導
ブラッシング指導も初期虫歯の治療法の一つです。口腔内を清潔な状態に保てるように、歯磨きの指導を行ったり、必要に応じてデンタルフロスや歯間ブラシの使い方を指導したりします。
また、患者さまに合った歯ブラシの選び方なども、教えてもらえるでしょう。ブラッシング指導を受けてセルフケアの質を上げることで、口腔内を常に清潔に保ち虫歯の進行を防げます。
レジン充填
小さな穴が開いた初期虫歯の場合は、最小限削ってレジンで充填します。コンポジットレジンと呼ばれる白い樹脂を削った場所に充填し、光を当てることで固める方法です。
レジンは歯の色に近いため、自然な見た目を保ちながら虫歯の進行を防ぐことができます。短時間で完了するため、負担が少ない治療法です。
虫歯を予防する方法
虫歯を予防する方法には、以下の4つがあります。
- 正しいセルフケア方法を身につける
- 食生活の改善
- 定期検診を受ける
それぞれ詳しく解説します。
正しいセルフケア方法を身につける
虫歯になる原因は、磨き残しによるプラークの蓄積です。毎日の正しいセルフケアが初期虫歯を防ぐ一番の方法のため、正しいセルフケア方法を身につけることが重要です。
歯ブラシとデンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、プラークの除去率が大きく上がります。特に、就寝中は唾液の分泌量が減って虫歯菌が活発になるため、寝る前のセルフケアはより丁寧に行ってください。
ブラッシング指導で正しいセルフケアを教えてもらえるため、一度受けてみると良いでしょう。
食生活の改善
糖分は虫歯菌のエサになるため、控えれば虫歯予防につながります。
しかし、まったく口にしないのは難しいでしょう。間食を減らしたり食べた後はなるべく早く歯磨きやうがいをしたりすることを心がけて、糖分がお口の中に留まる時間が短くなるようにしてみてください。
定期検診を受ける
歯科医院で定期検診を受けることで、初期虫歯を早期に発見できるでしょう。
また、定期検診では専門的なクリーニングで普段の歯磨きだけでは落としきれない、汚れや歯石などを除去してもらえます。虫歯予防では、虫歯になりにくい口内環境を作り出すことが重要なので、非常に効果的といえるでしょう。
痛みや初期虫歯の症状がなくても、定期的に歯科医院で検診を受ける習慣をつけてください。
まとめ
初期虫歯の症状は、歯と歯茎の間が白く白濁することや歯の表面が茶色く変色することなど、よく観察していないと見逃すような小さなものがほとんどです。そのため、自分では見つけられない場合も少なくないでしょう。
しかし、初期段階であれば、ブラッシングの改善やフッ素塗布など、歯を削らずに対処できるケースが多いです。定期検診とセルフチェックを行い、初期虫歯を早期発見・治療できるようにしましょう。
初期虫歯の症状が確認できた場合や、症状がなくても虫歯があるのか気になる場合は、なるべく早めに歯科医院を受診してください。
虫歯治療を検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みを癒すだけでなく生活の質を向上できる歯科治療を目指して診療を行っています。小児矯正・小児歯科や成人矯正、虫歯・歯周病治療、ホワイトニングなどさまざまな治療を行っています。