歯のコラム

インビザラインのクリンチェックとは?流れとメリットを解説

こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。

インビザラインで使用するマウスピース

インビザライン治療を検討する際に欠かせないのがクリンチェックです。クリンチェックという言葉を聞いたことはあるけれど、具体的にはどのようなものなのかわからないという方もいるでしょう。

この記事では、インビザラインのクリンチェックとはどのようなものなのか詳しく解説します。クリンチェックの具体的な流れとメリットについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

クリンチェックとは

クリンチェックでシミュレーションしている様子

クリンチェックは、インビザラインを生み出したアメリカのアライン・テクノロジー社が開発した3Dシミュレーションソフトです。このソフトウェアの最大の特徴は、歯の動きを立体的にシミュレーションできることです。

患者さんは、自分の歯並びがどのように変化していくかを視覚的に確認できるため、治療に対するモチベーションが向上します。歯科医師だけでなく、患者さん自身も治療の過程を理解しやすくなるため、納得のいく治療が期待できるのです。

世界中の臨床例を集めた膨大なデータをもとに、的確な治療計画を立てることができます。そのため、患者さんの要望を反映させながら、より満足度の高い治療が可能となるのです。

クリンチェックの流れ

クリンチェックの流れイメージ

クリンチェックを含めたインビザライン矯正の流れについて詳しく解説します。

カウンセリング

まず、30分〜1時間のカウンセリングを行います。患者さんの歯並びに関する悩みや矯正治療の希望を伺い、治療の方針や料金、治療期間について説明します。また、口腔内のチェックを行い、虫歯や歯周病が見つかった場合は、その治療についても説明します。

一部の歯科医院では、口腔内スキャナーを使用して簡単なシミュレーションを行うこともあります。

精密検査

インビザライン治療を行うためには、詳細な検査が必要です。全顎矯正か部分矯正かによって検査内容は異なりますが、以下のような検査が行われます。

  • レントゲン撮影
  • 口腔内写真
  • 顔貌写真
  • 歯周病と虫歯のチェック
  • 口腔内スキャナーでのスキャン

これらのデータをもとに、担当歯科医師が治療計画を立てます。

治療計画の立案

精密検査で収集したデータをアライン・テクノロジー社に送信し、3Dモデルを作成します。この3Dモデルをもとに、歯科医師がクリンチェックのソフトウェアを使って詳細な治療計画を立てます。

計画では、歯の最終位置や移動の詳細、抜歯の有無、IPRの位置と量、アタッチメントの位置と数、アライナーの枚数、治療期間、交換周期などを決定します。

シミュレーション

治療計画が完成したら、コンピューター上で歯の動きやゴールのシミュレーションを見ることができます。シミュレーションでは、歯の動きや補助装置の位置などを確認でき、患者さんと歯科医師で治療のイメージを共有します。必要に応じて微調整を行い、最終的な治療計画を確定します。

アライナーの作製

最終的な治療計画が決定したら、アライナーを作製します。アライナーは海外のアライン・テクノロジー社の工場で製造されるため、発注してから歯科医院に届くまで2〜3週間程度かかります。

治療開始

アライナーが届いたら、患者さんに来院してもらい、治療計画に基づいた抜歯やIPRなどの処置を行います。アライナーの装着方法や注意点を説明し、治療を開始します。

定期検診

治療中は2ヶ月に1回の頻度で定期検診を受ける必要があります。定期検診では、治療計画と実際の歯の動きにズレがないかを確認します。

必要に応じて治療計画の修正

治療中に問題が発生した場合や計画にズレが生じた場合は、再度スキャンを行い、クリンチェック上で治療計画を立て直します。追加アライナーの作製も行います。

保定

全てのアライナーが終了し、希望の歯並びになったら治療終了です。アタッチメントや補助装置を取り外し、保定期間に入ります。保定期間中はリテーナーと呼ばれる保定装置を装着して歯の後戻りを防ぎます。

初めの半年〜1年程度は1日20時間以上リテーナーを装着し、歯並びが安定してきたら少しずつリテーナーの装着時間を短くしていきます。

クリンチェックを行うメリット

クリンチェックを行うメリットイメージ

クリンチェックは、インビザラインを開始するにあたって不可欠なソフトウェアです。インビザライン特有のため、馴染みのない方も多いでしょう。

ここでは、クリンチェックを行うメリットについて解説します。

身体への負担が少ない

従来の型取りでは、アルジネートやシリコンと呼ばれる粘土状の材料を使用し、数分間口腔内に保持する必要がありました。これは嘔吐反射のある方にとって身体的な負担が大きく、また術者の技術によっては十分な型が取れない場合や取り扱い時に変形する場合がありました。

一方、口腔内スキャナーは棒状のデバイスを使用するため、嘔吐反射のある方でも負担が少なく、迅速かつ正確に型取りが可能です。デジタルデータとして保存されるため、変形の心配がなく、再現性が高いというメリットもあります。アライナーのフィット感が向上し、治療の精度が高まります。

治療過程の細かい動きまで確認できる

クリンチェックでは、患者さんの歯型を光学スキャナーでスキャンすることで、精密な3Dデータを取得します。このデータを取り込むことで、コンピューター上で歯型を立体的に確認できるようになります。

歯を上下左右さまざまな角度から詳細に確認でき、どの歯をどのように動かすのか、動く様子を動画で確認することも可能です。

従来のワイヤー矯正の場合は、最終的なゴールを模型で確認することはできても、治療過程の細かい動きを予測することは困難でした。インビザラインの場合、クリンチェックを使用することで各ステップにおいて、歯がどのように動いているかを予測できるのです。

さらに、最新のクリンチェックソフトウェアでは、CTスキャンとの重ね合わせが可能となりました。歯根の動きも含めた詳細なシミュレーションが行えるため、より精密な治療計画を立てることができるのです。

詳細な治療計画を立てられる

クリンチェックを使用することで、治療の最終的なゴールを明確にできます。また、抜歯部位やIPRの位置・量、アタッチメントの位置・数など、細部に至るまで詳細な治療計画を立てることができるのです。

患者さんの要望を取り入れた微調整も容易に行うことができ、納得のいくかたちで治療を進めることができます。さらに、治療がシミュレーション通りに進まなかった場合でも、クリンチェックを使用することで、実際の歯並びとシミュレーションを見比べ、治療計画とのズレに早急に気づくことが可能です。

この迅速な対応により、必要に応じて追加アライナーを作製し、再度クリンチェックで治療計画を立て直すことができます。これにより、治療の進行を適切に管理し、最適な結果を導くことができるのです。

まとめ

インビザライン治療によって理想の歯並びになった女性

この記事では、インビザラインのクリンチェックとはどのようなものなのか、流れとメリットも含めて詳しく解説しました。

クリンチェックとは、インビザライン矯正を開始する前に歯がどのように動くかシミュレーションできるソフトです。患者さんは自分の歯並びがどのように変化していくのか事前に確認できます。

アライナー作製後、実際の治療が開始され、定期検診で進行を確認しながら治療計画を微調整します。クリンチェックを活用することで、患者さんは治療の進捗をリアルタイムで確認でき、モチベーションを維持しやすくなるのです。

クリンチェックを活用することで、矯正治療における患者さんの満足度と治療の成功率を高めることができるでしょう。

インビザラインを検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。