こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。
下の歯が前に出ている、顎のバランスが悪いなど「このままでは子どもが受け口になるのでは?」とお悩みの保護者の方も多いのではないでしょうか。早期に矯正すると骨格も歯並びも整えられるため、4~5歳のタイミングで一度歯科医院を受診すると良いかもしれません。
この記事では、子どもの受け口を矯正するメリットや治療法について解説します。
目次
受け口とは?
受け口とは、上下の歯を噛み合わせた時に下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態のことです。正常な噛み合わせと上下の噛み合わせが逆になることから、反対咬合や下顎前突(かがくぜんとつ)とも呼ばれています。
上顎の成長は10歳ごろに終わりますが、下顎の成長は15歳~18歳ごろまで続きます。そのため、子どもの受け口を治すには遅くても上顎の成長が止まる10歳ごろまでに矯正をスタートしたほうがよいとされています。
子どもの受け口は見た目が悪いだけでなく、噛み合わせや滑舌の悪化から、心身の成長にも影響を及ぼします。受け口は自然に治ることはありませんので、子どもの受け口が気になったらなるべく早く歯科医院を受診しましょう。
子どもが受け口になる原因
受け口には、骨格的な問題が原因の骨格性反対咬合、歯並びが原因の歯槽性反対咬合の2種類があります。ここでは、それぞれの原因について解説します。
骨格性反対咬合
上顎に比べて下顎が大きすぎたり、上顎の成長が不十分だったりと、骨格的な問題で受け口になるっている状態を骨格性反対咬合といいます。
歯や顎の大きさは遺伝するため、親が受け口の場合、子どもも受け口になることがあるでしょう。骨格的な問題で上下の顎のバランスが悪い場合、噛み合わせの悪化から食べ物が食べにくくなったり、顎関節症を引き起こしたりする可能性があるので注意が必要です。
歯槽性反対咬合
上下の顎のバランスには問題はないものの、生活習慣などが原因で歯並びが悪くなり受け口になった状態を歯槽性反対咬合といいます。例えば、口呼吸やポカン口、舌を前に突き出す舌癖や指しゃぶりなどの癖がある場合、後天的に受け口になることがあります。
上下の顎のバランスが悪いことで受け口になっているわけではないため、骨格性反対咬合よりも軽度な場合が多いでしょう。噛み合わせが悪化して上顎の成長を阻害したり、反対に下顎が成長しすぎたりすることで、結果的に骨格的な問題を抱えることもあります。
子どもの受け口を放置するリスク
ここでは、子どもの受け口を放置するリスクについて解説します。
噛み合わせが悪化する
受け口は、上の歯よりも下の歯が前に出ていることから、噛み合わせが悪いです。噛み合わせの悪さから消化器官に負担がかかったり、顎関節症を引き起こしたりするおそれもあります。
また、悪い噛み合わせのまま放置していると歯にも負担がかかります。虫歯や歯周病のリスクが高くなるので、将来的に歯を失う可能性も高くなるでしょう。
顔立ちが悪くなる
受け口を放置するとどんどん上下の顎のバランスが崩れ、顔立ちが悪くなるのがデメリットです。見た目にコンプレックスを抱えることで、子どもの心の成長に悪影響を及ぼすことも珍しくありません。
滑舌が悪くなる
下顎が上顎よりも前に出ていることから、こもったような声になったり滑舌が悪くなったりと、発音に障害が出やすいといわれています。特に、サ行やタ行の滑舌が悪くなりやすいでしょう。
言葉を聞き取ってもらいにくいことから、人前で話すのが恥ずかしいなどコンプレックスにつながることも珍しくありません。
子どもの受け口を矯正する場合は何歳から?
子どもの受け口を矯正する場合、永久歯が生える前の4~5歳ごろに矯正を始めるのがよいとされています。骨格的な問題がある場合は3歳ごろから、歯並びに原因がある場合は6歳ごろから受け口になるといわれています。
そのため、永久歯が生える前の4~5歳ごろから矯正を開始するとよいでしょう。子どもの顎の成長を利用することで、上下の顎のバランスを整えて受け口を改善します。顎のバランスが整えば歯を並べるスペースを確保できるため、正しい位置に歯を誘導しやすくなります。
しかし、矯正を開始する時期はお子さまによって異なります。軽度の場合は、永久歯が生え始める6歳以降に始めることもあるでしょう。
遅くても上顎の成長が止まる10歳ごろまでには、矯正を開始するのがよいとされています。お子さまの歯並びが気になる場合は、一度しかいいんを受診して相談してみましょう。
子どものうちに受け口を矯正するメリット
先述したように、受け口は自然に治ることはなく放置するとどんどん悪化します。ここでは、子どものうちに受け口を矯正するメリットを解説します。
骨格から受け口を改善できる
子どものうちから受け口を矯正することで、子どもの顎の骨の成長を利用しながら上下のバランスを整えられるため、骨格から受け口を改善できます。本来あるべき位置に歯を誘導しやすいため、歯並びや噛み合わせも効率的に改善できるでしょう。
大人になってから受け口を治す場合、抜歯や外科処置などの大がかりな治療が必要になることがあります。受け口を治すのであれば、子どものうちに矯正を始めたほうがいいかもしれません。
悪習癖を解消できる
受け口に影響する口呼吸やポカン口、舌癖、指しゃぶりなどの生活習慣は、柔軟性のある子どものほうが改善しやすいといわれています。早いうちに悪習癖を改善することで、矯正治療後の後戻りも予防できるでしょう。
将来的に抜歯を回避できる
子どものうちに矯正すれば骨格から改善できるため、抜歯を回避できる可能性が高くなります。大人になってからも受け口の矯正はできますが、歯並びや噛み合わせを改善させるために抜歯することが多いです。
また、重度の受け口の場合、矯正治療だけでなく外科処置が必要になることもあります。子どものうちに受け口を矯正することで、大がかりな処置を行わずに矯正できる可能性が高くなるでしょう。
子どもの受け口を矯正する方法
子どもの受け口を矯正する方法は、以下の5つです。
歯列矯正用咬合誘導装置
歯列矯正用咬合誘導装置とは、プレオルソやムーシールドなどの子ども用のマウスピースのことです。大人のマウスピース矯正は歯並びを整える治療ですが、歯列矯正用咬合誘導装置は歯を直接動かすものではありません。
歯列矯正用咬合誘導装置は、お口周りの筋肉を鍛え、顎の成長を促すのが目的です。就寝中と日中1時間装着し、併せてお口周りの筋肉を鍛えるMFTというトレーニングを行うことで、顎の成長を促します。
MFTトレーニングを行えば悪習癖を改善できることが多いので、矯正治療後の後戻りを予防する効果も期待できるでしょう。
床矯正
床矯正とは、取り外し可能な装置を使って顎の成長を促す治療です。受け口の場合、床矯正で上顎を広げれば下の顎のバランスが整うため、歯並びや噛み合わせを整えられるでしょう。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは、子ども用のマウスピース矯正です。顎のバランスを整えながら歯並びも改善できることが特徴でしょう。
薄く透明なマウスピースを使用するため、口元が目立たずスポーツや楽器の演奏などにも支障をきたしません。また、取り外しできるので食事や歯磨きが普段通りにできるのもメリットです。
フェイスマスク
フェイスマスクとは、上顎の成長を促すことで受け口や噛み合わせを改善する装置のことです。
額と下顎を支えに、上顎にゴムをひっかけて使用します。大がかりな装置に見えますが、装着時間は家にいる時や就寝中だけなので、見た目を気にする必要はありません。
永久歯に生え変わる7~13歳ごろにフェイスマスクを使用することで、顎のバランスが整えられ効率的に受け口を矯正できます。
チンキャップ
チンキャップとは、下顎の成長を抑制する目装置のことです。上顎の成長は10歳ごろに終わりますが、下顎は15~18歳ごろまで成長し続けます。
そのため、11歳ごろからチンキャップを使用し、下顎の成長を抑制して受け口を矯正します。フェイスマスクと同じくお顔につける装置ですが、家にいる時や就寝中に装着するため子どもの負担になりにくいでしょう。
子どもが受け口にならないための予防法
ここでは、子どもが受け口にならないための予防法を解説します。
お口周りの筋肉を鍛える
上下の顎の成長は、お口周りの筋肉の成長にも左右されます。子どもが好みやすい柔らかいものや、食べやすいからと細かく切ったものばかり与えると、お口周りの筋肉が発達せず受け口になるかもしれません。
離乳食を適切な時期に始める、噛み応えのある食事を意識することが受け口の予防に繋がります。
悪習癖の改善
子どもの受け口は、口呼吸やポカン口、指しゃぶりや頬杖など、さまざまな悪習癖が原因になることがあります。お口が開いていたり、指しゃぶりをしているのを見かけたりした際は、やさしく声掛けをしてあげましょう。
悪習癖は無意識でしていることが多いため、保護者の方がその都度声をかけても改善するのが難しいでしょう。このような場合、歯科医院でのMFTのトレーニングが効果的かもしれません。
MFTお口周りの筋肉が鍛えられることで、口呼吸やポカン口が改善されたり、正しい飲み込み方が身につくことで舌癖が改善されたりします。子どもの受け口や悪習癖にお悩みの場合は、一度歯科医院を受診して相談するとよいでしょう。
まとめ
子どものうちに受け口を矯正すれば、子どもの成長を利用しながら骨格も歯並びもきれいにできるでしょう。受け口は自然に治ることはなく、放置するとどんどん悪化します。子どもの心身の成長に悪影響を及ぼすこともあります。
大人になってからでも受け口の矯正はできますが、抜歯や外科処置など大掛かりな処置が必要になることがあります。子どもの受け口が気になる場合、4~5歳のタイミングで一度歯科医院を受診するとよいでしょう。
お子さまの受け口の治療を検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。