こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。
こどもの歯科矯正治療の1つとして活用される、プレオルソをご存知でしょうか。さまざまなメリットがあり、現在歯科矯正でも注目されている治療方法です。
プレオルソには対象年齢がありますが、知らない方もいるのではないでしょうか。
本記事では、プレオルソがどのような歯科矯正なのか、対象年齢や治療期間について詳しく解説します。治療の流れについても解説するため、プレオルソを検討している方はぜひ参考にしてください。
プレオルソとは?
プレオルソとはマウスピース矯正の1つで、こどもの歯科矯正に約30年間携わってきた日本の矯正専門医が日本のこども向けに開発したものです。プレオルソの特徴を確認しましょう。
やわらかいマウスピースを使用する
こどもの口の中はやわらかくデリケートなため、通常のプラスチックを使用したマウスピースだと着け心地が悪く装着できない場合もあります。
しかし、プレオルソはやわらかいポリウレタンを使用しているため、プラスチックのように着け心地が悪いと感じることはありません。口にもフィットするため、こどもでも違和感を覚えにくく、長時間装着しやすいことが特徴です。
外出先での付け外しが不要
こどもの歯科矯正で多くの保護者が頭を抱えるのが、外出先での付け外しによる紛失です。また、付け外しをする機会がなくても、こどもが違和感で勝手に外すケースが少なくありません。
プレオルソの装着時間は、日中1〜2時間と就寝中だけです。そのため、学校や幼稚園・保育園などにつけていく必要がないのです。
外出時に装着しないので、口の中を気にせずに生活できるでしょう。
歯型を採らないのでスムーズに始められる
マウスピース矯正をはじめ、矯正をするときには歯型を採取してその人にあった矯正器具を作ります。
しかし、こどもの歯型を取るのは非常に難しく、歯型を取った際に感じた苦痛でその後の矯正治療および歯科受診を嫌がるケースもあります。プレオルソは既製品のマウスピースを使用するため、歯型を採取する必要がありません。
既製品と聞くと子どもに合わないのではと感じる方がいるかもしれません。プレオルソは柔らかい素材を使用していることもあり、お湯で調整が可能です。
そのため、時間をかけずに子ども1人1人の口の形に合った装置に調整できるのです。
治療終了後の後戻りが少ない
プレオルソは、歯並びだけでなく筋肉バランスから整える治療方法です。根本から整えるため、治療終了後の後戻りが少ないということもポイントです。
プレオルソの対象年齢
プレオルソは一般的に、1期治療として取り入れたい治療法です。そのため、5~10歳くらいの子が対象です。6~8歳からプレオルソを開始することが勧められる傾向にあります。
この年齢を超えると、2期治療の対象となります。2期治療に入るころには、すでに多くの歯が永久歯になっているため、プレオルソで歯並びを治すことは難しいと考えられているのです。
プレオルソの治療期間
プレオルソの治療期間には個人差もありますが、およそ半年から2年程度が一般的です。平均すると1年半程度でしょう。
歯の状態や、治療状況によって治療期間は大きく変わります。マウスピースを正確に装着していなかった場合には、2年以上かかることもあります。
こどものうちにプレオルソで治療をするメリット
こどものうちにプレオルソで治療をしておくことでさまざまなメリットがあります。一つずつ確認しましょう。
永久歯が正常に生える土台を作れる
歯科矯正治療と聞くと、歯を移動させると考える方が多い傾向にあります。歯並びは、歯の生え方のみならず、頬や唇の筋肉や、顎の骨格などさまざまな要素が絡みあって成立しています。
そのため、歯の位置だけを治すのではなく、筋肉や骨格などを治療することも重要です。プレオルソは、まだ筋肉や骨がやわらかい幼少期から使用するため、筋肉のバランスも整えます。
歯並びを悪くする要因を解消できるので、後戻りのリスクも避けられます。
2期治療によい影響がある
ある程度永久歯がそろってきたタイミングで行われる2期治療にも、プレオルソはさまざまな影響をもたらします。1期治療をしないで2期治療を開始すると、せっかく生えている永久歯を、矯正時のスペース確保の目的で抜歯しなければならないこともあります。
しかし、プレオルソをしていれば、永久歯を抜歯せずに2期治療できる可能性が高まります。プレオルソによって骨格や筋肉を整えた結果、永久歯が正しく生えて2期治療が不要になるケースもあるでしょう。
呼吸方法が改善される
人は、本来は鼻で呼吸します。鼻呼吸をすることで、花粉やほこり、細菌が体内に侵入することを防ぎ、感染症のリスクを下げているのです。
また、鼻呼吸はたくさんの酸素を取り込めることから、集中力や基礎代謝の向上を促すとも言われています。
しかし、口周りの筋肉が弱いと、うまく口を閉じられず口呼吸になりがちです。口呼吸は、口腔内が乾燥することで、口臭や虫歯・歯周病を発生・悪化させることがあります。顎の成長に影響して、不正咬合のリスクが高まることもあるでしょう。
プレオルソで口周りの筋肉バランスを整えることで、鼻呼吸ができるようになります。これらのリスクを回避できるのです。
プレオルソの治療の流れ
プレオルソは、以下の流れで治療をおこないます。
歯科医師に相談
まずは、歯科医師に相談しましょう。このときに大切なのは、小児歯科を標榜している歯科医院に相談することです。
とくに、プレオルソを扱う歯科医院はまだまだ多くありません。プレオルソを扱っているかどうかも確認しておきましょう。
歯科医院で検査を受けた結果、しばらく治療をせずに様子見になるケースもあります。治療を受ける場合は、このときに治療費用や治療期間などの説明も受けます。
精密検査
次に精密検査を受けます。レントゲン撮影や口、顔の写真撮影を主に行います。これにより、見た目のみではわからない、総合的な歯並びの問題を追及します。
治療計画
精密検査を受けた結果から、どのように治療をしていくかなどを決定します。実際の費用や治療期間の目安なども説明されるでしょう。
説明を受けて納得したら、治療をスタートします。
治療開始
治療開始とともにプレオルソを渡され、治療の説明を受けます。このときにわからないことがあれば質問しておきましょう。
その後は定期的に検査を受けて、歯並びの状況を確認します。
プレオルソで治療するときの注意点
プレオルソで治療をするときには、いくつか注意しなければならない点があります。ここでは、プレオルソの注意点について解説します。
日中最低1時間装着する
プレオルソは、基本的に就寝中の装着が必要です。起床時も、最低1時間以上の装着が必要です。
例えばテレビを見ているときや、ゲームをしているときには装着するなど、家庭内でルールを決めて装着時間を確保しましょう。1日1時間と就寝中の装着ができていないと、治療期間が延びる可能性があります。
使用中は鼻呼吸を意識する
プレオルソ使用中は、なるべく鼻呼吸を意識しましょう。鼻呼吸を意識することで、舌を正しい位置にできます。
装着前に歯を磨く
プレオルソを装着する前には、必ず歯を磨きましょう。汚れた歯のままプレオルソを装着すると、汚れが付着するからです。
汚れを放置してプレオルソを使い続けると細菌が繁殖し、虫歯になるリスクがあります。
歯ぎしり・食いしばりをしない
プレオルソは非常にやわらかい素材でできているため、歯ぎしり食いしばりによって破損する可能性があります。癖がある場合は先に改善するなど、プレオルソが破損しないように注意しましょう。
トレーニングを必ず行う
プレオルソは、マウスピースの装着とトレーニングを実施することで、歯並びを悪くする癖を改善できます。トレーニングについては歯科医師から指導されますが、ご自宅でも必ず行いましょう。
お子さまがご自身で取り組むのは難しい場合もあります。保護者の方も協力して、プレオルソの装着とトレーニングにしっかり取り組みましょう。
まとめ
小児矯正歯科の方法としても注目されているプレオルソは、やわらかいマウスピースで歯並びを土台から整える治療です。将来的に矯正治療をしなくてもよくなる可能性があります。
「永久歯が生える前から矯正をするのは早いのでは?」と悩む保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、早いタイミングで矯正治療をすることで、身体的にも精神的にもこどもの負担を軽減したうえできれいな歯並びを手に入れられるでしょう。
プレオルソを検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。