こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。
床矯正は、顎の骨を拡大して歯を並べるスペースを作る治療です。顎の骨を拡大すると聞くと、顔が大きくなるのではないかと考える方もいるのではないでしょうか。
今回は、床矯正とはどのような治療なのかを解説します。メリットとデメリットや、輪郭への影響もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
床矯正とは?
床矯正とは、矯正治療に用いられる装置の一種です。取り外しができるプラスチックのプレートに、歯に固定するためのスプリングやネジがついています。
ネジを回すと装置の幅が広がるので、顎に力がかかって歯列が拡大し、歯を並べるスペースを作れます。
ネジを回す頻度や装着時間は歯科医師から指示があるので、スムーズに治療を進めるために守ってください。装着時間の目安は1日に12~20時間、睡眠時間のみの場合もあります。
床矯正は、顎の成長を利用しながら歯列を拡大します。そのため、成長段階にあるお子さまに用いられることが多いです。歯科医院によっては、大人でも床矯正が可能なケースもあります。
床矯正の治療費の相場は200,000~40,000円ほどで、ほかの矯正治療の装置と比較すると安価です。
床矯正のメリット・デメリット
床矯正のメリットとデメリットを確認しましょう。
床矯正のメリット
床矯正のメリットは、以下のとおりです。
抜歯せずに治療できる
床矯正は、歯列を拡大することで歯が並ぶためのスペースを作る治療です。そのため、歯を抜歯せずに歯並びを整えられる可能性があります。
床矯正のみで歯並びが整わなかった場合でも、引き続き別の装置で治療を行うことで、抜歯しないで矯正治療が完了する可能性があるでしょう。
虫歯や歯周病になりにくい
床矯正の装置は取り外しできるので、食事や歯磨きをふだんどおり行えます。セルフケアをしやすく口腔内を清潔に保てるので、矯正治療中でも虫歯や歯周病を予防できるでしょう。
治療中の痛みを感じにくい
床矯正は、ほかの治療方法と比較すると大きな力をかけることがありません。徐々に歯列を拡大するため、治療中の痛みを感じにくいです。
お子さまの負担を抑えながら、スムーズに治療を進められます。
費用を抑えられる
ほかの矯正方法と比較して、床矯正は費用を抑えられることも大きなメリットです。お口全体の治療の場合、ワイヤー矯正もマウスピース矯正も1,000,000円程度かかることが多いですが、床矯正の場合200,000~40,000円が相場です。
床矯正のデメリット
床矯正のデメリットをご紹介します。
対応できない症例がある
床矯正は、1本1本の歯に装置をつけて細かく調整する治療ではありません。歯並びの状態によっては、床矯正のみではきれいに整わないこともあります。
歯を移動させて歯並びを整える治療ではないので、美しい歯並びを目指す場合は床矯正後に歯列矯正を行う必要があるでしょう。
指示どおりに装着しないと治療が進まない
床矯正は取り外しできることがメリットですが、歯科医師の指示どおりに装着しなければ治療が進みません。ネジを回して徐々に装置を広げるため手間もかかります。
お子さまが管理することは難しいので、保護者の方の協力が欠かせない治療といえるでしょう。
治療期間が長い場合がある
床矯正の開始時期にもよりますが、治療期間が数年間に及ぶことがあります。成長期のお子さまの床矯正の場合、すべての歯が永久歯に生え変わるまで続ける必要があるでしょう。
装着時に違和感がある
床矯正の装置は、プレート部分に厚みがあります。装着時に違和感を覚える場合や、発音しにくいと感じる場合があるでしょう。
1週間ほどで慣れるケースが多いですが、お子さまが装着するのを嫌がる可能性もあります。
床矯正では顔が大きくなるの?
床矯正は、歯列を広げることで歯を並べるスペースを作ります。そのため「輪郭が広がり、顔が大きくなるのではないか」と心配する方もいるでしょう。
しかし、床矯正によって顔が大きくなることはありません。床矯正によって広げるのは、歯列のみだからです。また、歯並びがよくなると口周りの正しい位置に筋肉がつくようになるので、顔が引き締まって見えることもあります。
床矯正ですきっ歯になったけれど問題ない?
床矯正に限らず、小児矯正治療の初期段階ですきっ歯になることは多いです。すきっ歯は目立つので気になる保護者の方もいるでしょう。基本的には、治療が進むと歯と歯のすき間は閉じるので安心してください。
床矯正は、すべての永久歯がきれいに並ばない状態の場合にスペースを作る治療です。一時的にすき間が目立つことはありますが、治療と生え変わりが進むことで徐々にすき間は埋まります。
治療が終わったあとにすきっ歯になった場合は、歯が治療前の位置に戻ろうとする後戻りが起こっていると考えられます。治療直後は後戻りしやすいので、保定装置を1~3年間装着する必要があるでしょう。
歯並びがきれいになれば治療は終わりと考える方もいますが、歯科医師の指示どおりに保定装置をしっかり装着してください。保定装置を装着しなければ、後戻りが起こります。
すきっ歯になって不安な場合は、早めに担当の歯科医師に相談しましょう。治療計画どおりに歯が動いているかを確認してもらってください。
すき間がどれくらいで埋まるのか、目安を聞くと安心して治療を継続できます。舌で前歯を押す癖がある場合すきっ歯の原因になるので、舌の癖を治すお口周りのトレーニングを受けるとよいでしょう。
保定装置のつけ忘れによって後戻りした場合は、程度によって対処法が異なります。大きな後戻りでなければ、保定装置やマウスピースで改善できます。大きく後戻りした場合は、矯正治療をもう一度やり直さなくてはいけないでしょう。
床矯正を成功させるために大切なこと
多くのメリットのある床矯正ですが、治療を成功させるためには守るべきポイントがあります。
お子さまの場合は生え変わり前に相談する
お子さまが床矯正を行う場合、成長を利用する必要があります。永久歯に生え変わる前に、歯が並ぶスペースを作らなければなりません。
顎の骨の成長が終わる前に治療を始めることが大切です。個人差はありますが、一般的には遅くとも犬歯が生える10歳頃より前、6~10歳に開始するのが適切とされています。
歯並びについて不安がある場合は、早めに歯科医院で相談するとよいでしょう。適切な時期をアドバイスしてもらえます。
床矯正の経験が豊富な歯科医師に相談する
床矯正は、すべての歯科医院で対応している治療ではありません。定期検診で通っている歯科医院では対応していないこともあるので、矯正治療を行っている歯科医院に相談しましょう。
また、矯正治療にはさまざまな方法があるので、できる限り床矯正の実績が豊富な歯科医院を選んでください。
歯科医師の指示どおりに装置を装着して通院する
矯正治療は長期間かかりますが、歯科医師の指示どおりに装置を装着することが重要です。床矯正中は、歯科医師の指示に従って装置を広げるためにネジを回し、通院しましょう。
通院などが滞ると、治療が進まない、後戻りするなどのトラブルにつながります。
まとめ
歯列を拡大することで歯を並べるスペースを作って歯並びを整える床矯正は、成長期のお子さまに用いられることが多いです。床矯正後に歯がきれいに並ばなかった場合でも、スペースを確保できているため抜歯が必要なくなる可能性が高まります。
「顔が大きくなるのでは?」と心配する方もいますが、歯列のみを広げる治療なので輪郭が大きくなることはありません。治療の過程ですきっ歯になることはありますが、基本的には心配いりません。異変を感じたら歯科医師に相談しましょう。
床矯正を検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。