歯のコラム

プレオルソの正しい使い方を知ろう!注意点も解説!

こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。

プレオルソの治療

小児矯正の一種に「プレオルソ」というマウスピース型の装置を使用した矯正方法があります。顎の骨の柔らかい小児の時期に適した矯正方法です。

マウスピース型の装置を使用するため、こどもへの負担が少ないというメリットがある反面、正しく使用しなければ効果を最大限に得られません。「プレオルソの正しい使い方がわからない」という保護者の方もいるでしょう。

今回は、プレオルソの正しい使い方や注意点について解説します。これからお子さまの歯列矯正を考えている保護者の方は、ぜひ参考にしてください。

プレオルソとは?

プレオルソのマウスピース

プレオルソとは、小児矯正の一種です。取り外し可能なマウスピース型の矯正装置を使用し、綺麗な歯並びへと導きます。

一般的に知られている歯列矯正では歯を動かして歯並びを整えていきますが、プレオルソは口周りの筋肉のバランスを整えることで間接的に歯並びを改善していく方法です。

歯は頬・唇・舌など口周りの筋肉のバランスに合わせるように並ぶため、口周りの筋肉が弱いと歯並びも崩れます。プレオルソは口周りの筋肉を鍛え、バランスをよくすることで歯が理想の位置へ生えるようにサポートします。

プレオルソの適応年齢は、4~10歳です。顎の骨が柔らかい小児の時期に使い始めることで効果を得られます。12歳以降になると顎の成長が止まるため、ほかの矯正方法で治療することになるでしょう。

プレオルソのメリット

プレオルソのメリットイメージ

歯列矯正にはさまざまな方法がありますが、プレオルソはこどもへの負担が少なく、メリットの多い矯正方法です。

プレオルソには、以下のようなメリットがあります。

痛み・違和感が少ない

ワイヤー矯正の場合、装置に強い力をかけて歯を動かすため、痛みが出やすいです。また、歯の表面に装置を装着するため、違和感を覚えやすいでしょう。

一方で、プレオルソは間接的に歯を整える矯正装置なので、歯にかかる負担が少ないという特徴があります。矯正による痛みや違和感を最小限に抑えられる点がプレオルソの大きなメリットです。

プレオルソ自体も柔らかいシリコン素材で作られているため、口内を傷つける心配もありません。

装置を取り外せる

ワイヤー矯正の場合、装置の取り外しができません。そのため、歯磨きがしにくく、ワイヤーの下などに磨き残しがあると、虫歯になるリスクが高まります。

一方で、プレオルソはマウスピース型の装置を使用するため取り外しが可能です。装置を取り外して歯磨きができるため、ワイヤー矯正に比べて虫歯になりにくいでしょう。

また、装置のお手入れもしやすいため、口腔内や装置を清潔に保つことができるのです。

治療後に後戻りしにくい

通常の矯正治療では歯を動かすため、矯正治療後に後戻りが生じる可能性があります。そのため、保定装置を装着して後戻りを予防する保定期間が設けられることが一般的です。

一方で、プレオルソは歯並びが悪くなる根本の原因を取りのぞく治療のため、治療後の後戻りが少ないというメリットがあります。

口周りの悪習慣などを改善できる

プレオルソは口周りの筋肉を鍛えることで筋肉のバランスを整えます。口周りの筋肉のバランスが整うと、歯並びが綺麗になるだけではなく、口呼吸から鼻呼吸へ促すことや、発音を改善することができるのです。

また、プレオルソを装着することで、口をぽかんと開ける癖や指を吸う癖、唇を噛む癖など、口周りの悪習慣も改善されます。

プレオルソの適応症例

受け口の子供

プレオルソの適応年齢は、顎の骨が成長する4~10歳です。

ただし、お口や歯の状態によってはプレオルソが適していないケースもあります。

プレオルソの適応症例は、以下のとおりです。

上顎前突

上顎前突は「出っ歯」とも呼ばれ、下の歯列よりも上の歯列が前に出ている状態です。上下の顎の位置にズレが生じることで上顎前突になります。

プレオルソで矯正することで顎のバランスが整い、上の歯列の傾斜が改善されるでしょう。上顎前突を放置すると、口が閉じにくくなります。口が閉じられないと口呼吸になるでしょう。プレオルソで矯正すると、呼吸の改善にもつながります。

下顎前突

下顎前突は「反対咬合」「しゃくれ」「受け口」とも呼ばれ、歯を噛み合わせたときに下の歯列が上の歯列を覆う状態です。上顎の成長が不十分な場合や下顎だけが成長している場合に下顎前突になります。

下顎前突を放置すると、発音や滑舌が悪くなる場合があります。また、大人になってから治療する場合、外科手術が必要になることがあるため、顎の骨が成長する小児の時期に、プレオルソで治療したほうがよいのです。

叢生

叢生は「乱ぐい歯」とも呼ばれ、歯並びがデコボコしている状態です。顎と歯の大きさのバランスが悪いと叢生になります。

叢生を放置すると、虫歯になるリスクが高まるでしょう。歯と歯が重なっている部分が磨きにくいためです。

顎が成長する小児の時期にプレオルソで治療をすることで、顎の成長を促しながら、歯を正しい位置へ導くことができ、お子さまの歯の健康を維持することにもつながります。

開咬

開咬は「オープンバイト」とも呼ばれ、歯を噛み合わせたときに上下の前歯が噛み合っていない状態です。上下の前歯が噛み合わないため、食べ物をうまく噛み切れなくなる場合や滑舌が悪くなる場合があります。

開咬の原因は、指しゃぶりや口呼吸、舌を出す癖などです。プレオルソでは、開咬の原因となる癖を改善できます。

過蓋咬合

過蓋咬合は「ディープバイト」とも呼ばれ、歯を噛み合わせたときに上の前歯が下の前歯を覆っている状態です。出っ歯やガミースマイルを引き起こす原因にもなります。上顎に対して下顎が後方にある状態を、プレオルソで整えていくのです。

プレオルソの使い方

プレオルソの使い方イメージ

プレオルソの効果を得るためには、プレオルソの正しい使い方を知ることが大切です。プレオルソは日中に1時間以上と、就寝時に装着します。

それぞれの使い方について解説します。

日中の使い方

毎日、日中1時間以上、プレオルソを装着しましょう。プレオルソを装着したら、しっかりと口を閉じることで口周りの筋肉が鍛えられます。

装着中に食事はできませんが、会話をすることは問題ありません。会話をすることで舌を鍛えることができます。

就寝時の使い方

治療期間中は、就寝時もプレオルソを装着する必要があります。就寝中にプレオルソが外れる場合は、お口にテープを貼るとよいでしょう。毎日就寝時に装着し、慣れてくると、外れることはなくなります。

プレオルソの使うときの注意点

プレオルソの使うときの注意点イメージ

プレオルソを正しく使えていないと、効果を最大限に生かせません。

プレオルソを使うときの注意点は、以下のとおりです。

毎日装着する

プレオルソは口周りの筋肉を鍛え、舌を正しい位置に誘導するための装置です。そのため、効果を得るためには、毎日装着する必要があります。

慣れるまでは口に物を入れることが気持ち悪く、嫌がるお子さんもいるでしょう。少しずつ慣らし、根気よく装着することが大切です。

鼻呼吸を意識する

前歯を舌で押す癖があると口呼吸になるため、歯並びに影響を及ぼします。プレオルソを装着したら、口を閉じて鼻呼吸を意識しましょう。鼻呼吸を意識することで、舌の位置を正しい位置に矯正することができます。

装着前に歯磨きをする

プレオルソを装着する前には、必ず歯磨きをしましょう。歯磨きをせずにプレオルソを装着すると、汚れが付着するためです。

プレオルソに付着した汚れによって細菌が繁殖すると、虫歯になる可能性があります。口内のケアはもちろん、プレオルソのお手入れも怠らないようにしましょう。

まとめ

元気な子供

今回は、プレオルソの正しい使い方や注意点について解説しました。

プレオルソは歯並びだけでなく、口周りの悪習慣も改善できる矯正方法です。メリットの多い矯正方法ですが、正しい使い方をしないと効果を得られません。プレオルソは毎日、日中1時間以上と就寝時に装着しましょう。

大人になってから矯正治療を行うと、重度の場合には外科手術を伴うこともあります。そのため、顎の成長段階にある小児の時期に、プレオルソで歯並びや口周りの悪習慣を改善することが重要なのです。

プレオルソを検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。