歯のコラム

床矯正の6つの失敗例!原因と対策について解説!

こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。

床矯正をする子供

床矯正(しょうきょうせい)という矯正方法があります。主にこどもに行う矯正方法で、顎の成長を利用して歯並びを整えるための土台を作る治療です。あまり知られていない矯正方法のため「効果はあるのか」と不安に思う方もいるでしょう。

今回は、床矯正の概要や失敗例、原因について解説します。床矯正で失敗しないための対策もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

床矯正とは?

歯並びが悪い子供

床矯正とは、顎の骨の幅を広げて歯がきれいに並ぶためのスペースを作る治療です。歯が並ぶためのスペース作りが目的なので、直接歯並びを整えるわけではありません。

しかし、歯の内側から圧力をかけるので、軽度な歯並びの乱れはある程度整えられます。

主にこどもを対象とした矯正方法で、顎の成長を利用してスムーズに歯列を拡大します。歯列を拡大することで、永久歯がきれいに並ぶためのスペースを確保するのです。

一般的にはこどもに行う治療ですが、大人にも適応できる場合があり、行っている歯科医院もあります。

床矯正の装置

矯正装置は、レジンでできた床(しょう)という板状の装置に、ネジやワイヤーなどが埋め込まれています。ネジを回転させることで少しずつ歯列を広げ、歯を正しい位置に移動させるのです。

使用する装置は簡単に取り外せますが、装着していない時間が長いと治療の効果が得られません。最低でも1日に14時間装着するよう指示されることが多いです。

食事や歯磨きのときは外せるので、日常生活に大きな影響は与えないでしょう。

床矯正の6つの失敗例

床矯正

床矯正の失敗例は、以下のとおりです。

治療が終わらない

床矯正で起こり得る失敗の1つ目は、治療が終わらないケースです。床矯正の目的は顎の骨を広げることですが、治療を行ってもなかなか顎の骨が広がらないと、治療が長期間にわたる可能性があります。

顎の骨の成長が終わっている場合、床矯正を行っても骨が広がらないでしょう。床矯正を始める前にしっかり診断することと、治療を行っても変化がない場合は早めに相談することが重要です。

噛み合わせが悪くなった

床矯正で顎の骨が広がり過ぎると、噛み合わせが悪くなることがあります。定期的に歯科医院を受診し、歯並びと噛み合わせの状態を診てもらうことが大切です。

定期的な受診を怠ると、骨の広がりをうまくコントロールできないことがあります。

後戻りした

矯正治療では、歯が動いたあと何も装着せずに過ごすと後戻りが起きますが、床矯正でも同様です。希望する部分まで顎が広がっても、すぐに装置を外すと固定されずに後戻りを起こすのです。

床矯正で歯列が拡大されたあとは、リテーナーという保定装置を装着しましょう。

上下の正中がずれた

歯並びにおける正中とは、前歯2本の間を指します。床矯正で歯並びが変化したことで、上の歯と下の歯の中央が合わなくなることがあります。

正中がずれていても問題がない場合もありますが、噛み合わせがずれるなどの問題が生じることもあるでしょう。定期的にしっかりと歯科医院を受診し、対処してもらってください。

治療計画を立てる段階で多少のずれが想定できる場合もあります。事前にしっかりとデメリットについても説明を受け、納得してから治療を始めてください。

出っ歯が悪化した

床矯正では、歯を内側から押す力が働きます。そのため、歯が外側に傾いているなどの出っ歯の場合、悪化することがあるのです。

顎関節症になった

床矯正では、歯列に圧力をかけます。装置のネジを回転させることで負荷を調整できますが、過度な負荷がかかった場合、顎関節症になる可能性があるのです。

口を開けるときにカクカクと異音が鳴るなどの症状が多いですが、悪化すると口を大きく開けることができない、硬い食べ物を噛めないなど、日常生活に支障をきたすかもしれません。

床矯正が向かない症例とは?

泣く子供と母

床矯正は、次のような症例には向きません。ほかの矯正方法を検討したほうがよいでしょう。

出っ歯の傾向がある

失敗例でもご紹介しましたが、いわゆる出っ歯で前歯が外側に向いているケースでは、床矯正を行うことで悪化する可能性があります。前歯で物が噛めなくなることもあるでしょう。

適齢期でない

顎の成長期でないこどもに床矯正を行うと、スムーズに歯列の拡大が進みません。成果が出ずに治療が長期間にわたる可能性があるので、治療の開始時期を検討したほうがよいかもしれません。

顎の成長が終わっている場合は、ほかの矯正治療を行ったほうがよいでしょう。

こどもの協力が得られない

床矯正に限りませんが、矯正治療は患者さまの協力が必要不可欠です。特に床矯正の場合は、6〜8歳程度の低年齢で始めることが多いです。こどもの協力が得られなければ、スムーズに治療が進まないでしょう。

床矯正の装置は取り外せるので、こどもの意思で装着してもらわなければなりません。矯正治療の必要性や重要性を理解することは難しい年齢かもしれませんが、前向きに治療に取り組めるように促す必要があります。

協力が得られない場合、無理やり行うことは推奨できません。矯正治療への協力を得られる年齢になってから、床矯正以外の治療を受けたほうがよい可能性があります。

床矯正で失敗しないための対策

子供と歯科医師

床矯正には適さないケースもあるため、検査をして床矯正が必要かどうかしっかりと見極めることが重要です。

床矯正で失敗しないための対策をご紹介します。

実績のある歯科医院に相談する

床矯正の実績のある歯科医院に相談することが非常に重要です。床矯正を行っていない歯科医院も多く、行っていても症例が少ない歯科医院もあります。

床矯正の失敗の多くは、検査不足や歯科医師の経験・技術不足が原因です。歯並びの状況をしっかり見極めて適切に床矯正を進めるには、床矯正の実績が豊富な歯科医院に相談しましょう。

床矯正の適齢期であるかを考える

床矯正は、顎の骨の成長を利用して歯列を拡大する治療です。適齢期を逃すと治療がうまく進みません。顎の成長が終わっている場合は、別の治療法で対応したほうがよいでしょう。

適齢期であるかどうかも踏まえて、しっかりと判断してもらってください。

事前の矯正相談をしっかり行う

床矯正を始める前に、検査の結果を踏まえて床矯正を適応できる症例かどうか、どのようなリスクがあるのか、どのように効果が現れるのかなど、担当の歯科医師としっかり擦り合わせをすることが大切です。

適応症例でなければ、床矯正は失敗に終わるでしょう。起こり得るリスクをしっかりと理解し、納得したうえで治療を開始してください。

定期検診を怠らない

床矯正に限りませんが、矯正治療を受ける場合は定期的に歯科医院を受診する必要があります。治療の進行度や、口腔トラブルの有無を確認するためです。

治療がうまく進んでいない場合は、治療計画の修正や適切な対応を行います。歯科医師に指示された頻度で定期検診を受けていれば、問題が起きていても早期に対処できるでしょう。

まとめ

床矯正をする子供

今回は、床矯正の概要や失敗例をご紹介しました。適応できる症例や向いている症例であれば、非常に効果的な矯正治療法です。永久歯の歯並びにもよい影響を与えるでしょう。

床矯正に限りませんが、矯正治療の失敗を防ぐためには、矯正治療を開始する前にしっかりと検査を行い、さまざまなリスクを理解したうえで、担当の歯科医師と相談をすることが大切です。

矯正治療は費用や時間がかかる治療なので、納得してから治療を開始しましょう。

床矯正を検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。