こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。
矯正治療を行う際、歯を並べるためのスペースが足りないときは健康な歯を抜く必要があります。
しかし、床矯正(しょうきょうせい)を行うことで、抜歯を行わずに歯をきれいに並べられる可能性が高まるでしょう。
今回は、床矯正の特徴や費用について解説します。
床矯正とは?
床矯正は、顎の幅を広げることで永久歯を並べるためのスペースを作る矯正方法です。床矯正に使用される矯正装置は、顎の骨を広げるためのスクリューが付着したピンク色のプラスチックで作られます。
スクリューを少しずつ回して装置の幅を広げることで、顎の幅を徐々に広げます。床矯正は、6〜11歳頃のこどもに行う治療です。
床矯正のメリット・デメリット
床矯正のメリット・デメリットをご紹介します。
床矯正のメリット
床矯正のメリットは、以下のとおりです。
取り外せる
床矯正で使用される装置は、自由に取り外せます。食事や歯磨きの際に外せるため、日常生活に支障をきたすことなく治療を進められるのです。
抜歯を行わずに歯並びを改善できる
歯並びを改善する際に歯を並べるスペースが足りない場合は、スペースを確保するために健康な歯を抜く必要があります。
しかし、床矯正を行えば顎の幅を広げられるので、抜歯を行わずに歯並びを改善できるでしょう。
痛みが少ない
ワイヤー矯正は、歯に矯正装置を装着して歯を動かします。そのため、痛みが生じることが多いです。
床矯正は歯に加わる力が少ないため、痛みも比較的少ないでしょう。
床矯正のデメリット
床矯正のデメリットは、以下のとおりです。
滑舌が悪くなる
床矯正では、矯正装置を口内に装着します。そのため、治療を始めてしばらくの間は、矯正装置の厚みによって滑舌が悪くなることが多いです。
自己管理が必要である
床矯正で使用する矯正装置は、自由に取り外せます。外している時間が長いと、想定していた治療効果が見込めないでしょう。
床矯正は、指示された装着時間をご自身で守ることが重要です。
床矯正の費用相場
床矯正にかかる費用の総額は、300,000〜400,000円程度ですが、費用は治療だけにかかるものではありません。
床矯正の費用相場を、治療の流れに沿ってご紹介します。
カウンセリング
床矯正を始める前に、カウンセリングを行います。カウンセリングでは、現在の歯並びや顎の成長状態を考慮して、予想される治療期間や費用を説明されるでしょう。
床矯正のメリット・デメリットなどの説明も行います。疑問や不安を解消する場でもあるので、気になることがあれば遠慮なく質問してください。
カウンセリングの費用は、無料〜10,000円程度です。
検査
カウンセリングを受けて床矯正を希望する場合は、検査を行います。検査では、歯の型取りやレントゲン撮影などを行います。検査で得られた情報をもとに、今後の治療計画を立てて説明されるでしょう。
検査の費用相場は、30,000〜50,000円程度です。
矯正治療
型取りの終了後、2週間程度で床矯正に使用する矯正装置が完成します。床矯正を開始する前に、矯正装置の着脱方法や口腔内の清掃方法など、矯正治療における注意点を説明されるのが一般的です。
装着時間を守ることの重要性や、保護者の方のサポートの必要性なども説明されるでしょう。
費用は、矯正装置の受け渡しがあるため150,000〜200,000円程度かかります。
定期的な調節
矯正治療を開始したあとは、矯正装置の定期的な調節を行います。装置の調節だけではなく、歯石取りなどの歯のクリーニングや、フッ素塗布も行われるでしょう。
定期的な調節は、1回につき3,000〜5,000円が費用の相場です。
保定
床矯正では、永久歯がきれいに並ぶスペースを確保するために、顎の幅を広げます。床矯正の終了後に何も装着せずに過ごすと、広げたスペースがもとに戻る後戻りが起きます。
後戻りを防止するために、保定装置を一定期間装着しなければなりません。
保定装置の費用は、10,000〜50,000円程度が相場です。
床矯正は保険が適用される?
基本的に、床矯正を含めた矯正治療が保険適用になることはありません。
しかし、以下の3つの条件を満たす場合は、保険が適用されます。日本では、矯正治療の保険適用は限られた症例のみに認められています。保険適用で矯正治療を行うことは基本的に難しいでしょう。
厚生労働大臣が定める疾患による歯列不正
歯列不正の原因が、厚生労働大臣の指定した53疾患によるものである場合は保険が適用されます。53疾患の詳細は、厚生労働省のホームページで確認してください。
顎変形症に対する手術前後の矯正治療
顎変形症とは、上顎や下顎の発育異常、歪みが原因で、噛み合わせの異常や顔の歪みが生じる疾患です。顎変形症には、下顎が前方に突出している下顎前突(かがくぜんとつ)や、上顎が前方に突出している上顎前突(じょうがくぜんとつ)などがあります。
顎変形症は、顎の骨の骨格的な歪みが原因の疾患のため、外科的治療が必要です。外科的治療の前後に矯正治療を行う場合、保険が適用されます。
前歯3本以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(開窓術を伴うものに限る)
永久歯萌出不全とは、適切な年齢になっても永久歯が生えず、歯茎の中に埋まった状態のことです。永久歯萌出不全では、歯茎を切開して埋まっている歯を生えさせる開窓術を行います。
3本以上の前歯が歯茎の下に埋まっており噛み合わせに異常が生じている状態で、治療のために開窓術を行う場合は保険が適用されます。
床矯正は医療費控除の対象になる?
結論からお伝えすると、こどもの床矯正は医療費控除の対象になる可能性が高いです。基本的に見た目の改善など審美的な目的で治療を受けた場合、医療費控除の対象となりません。
しかし、噛み合わせの改善など医療目的で治療を受けた場合は、医療費控除の対象となります。こどもの矯正治療は、噛み合わせの改善や顎の成長を適切に促すなど、医療目的で行われることが多いです。医療費控除の対象となる可能性が高いでしょう。
医療費控除の対象になるか不安な場合は、歯科医師に相談してください。
床矯正の費用を安く抑える方法はある?
床矯正の費用を安く抑える方法は、以下のとおりです。
医療費控除を受ける
先述したように、こどもの床矯正は医療費控除の対象となることがあります。医療費控除の対象になると、所得税が軽減されるのです。
矯正治療で対象となる医療費として、治療費や交通費、治療に必要な医薬品代などが挙げられます。
モニターに応募する
歯科矯正モニターを募集している歯科医院があります。モニターに採用されると、治療中の口腔内の写真やアンケート内容が歯科医院のホームページやSNSに投稿されますが、代わりに相場よりも安い費用で治療を受けられることが多いです。
歯科医院によって募集条件が異なるため、事前によく確認して申し込んでください。
デンタルローンを利用する
月々の出費を抑えたい場合は、デンタルローンを利用するとよいでしょう。デンタルローンは通常のローンと比べて金利が低いことが多いため、費用を抑えて矯正治療を受けられます。
まとめ
今回は、床矯正のメリット・デメリットや、費用について解説しました。
床矯正は、顎の骨の幅を大きくする矯正方法です。矯正治療は審美目的で行われることが多いため、基本的には保険が適用されません。
しかし、厚生労働大臣が指定する疾患や顎変形症などに伴う不正咬合の改善のために矯正治療を受ける場合、保険が適応されることがあります。保険が適用されない場合でも、こどもの矯正治療は医療費控除の対象になることがあります。
床矯正の費用を抑える方法としては、医療費控除の活用、モニターへの応募、デンタルローンの活用などが挙げられるでしょう。お子さまの歯並びが気になる方は、床矯正を検討してみてはいかがでしょうか。
床矯正を検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。