こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。
プレオルソの費用は約30,000~200,000円です。この価格差は、プレオルソは保険が適用されず、クリニックごとに料金体系が異なるためです。
今回は、プレオルソの特徴から費用の内訳まで詳しく解説します。
目次
プレオルソとは?
プレオルソは、顎の発育途上にあるこども向けのマウスピース型矯正装置です。よく知られる「インビザライン」と同様に着脱が可能ですが、治療目的や使い方は異なります。
プレオルソは柔らかくて弾力があり、装着しても強い痛みを感じにくいのが特長です。日常生活において、日中1~2時間と寝る際に装着するだけで効果が得られます。そのため、学校生活などの日常活動に支障をきたすことなく矯正治療を受けることが可能です。
さらに、プレオルソのマウスピースは、熱を加えることで形状を変えることができるため、従来の矯正治療のような歯型を取る手間が省けます。
プレオルソは「機能的顎矯正装置」ともよばれ、口腔内の機能、つまり筋肉の動きを利用して、顎や歯の異常、あるいは成長の遅れを正常に戻すために使用します。たとえば、お口の周りや舌の筋肉が適切に動作しないと、歯列が広がらないことや前歯が前方へ傾くことがありますが、プレオルソを使用することで、唇や頬、舌の筋肉の動きを正常化し、結果的に歯並びや噛み合わせの問題を予防・改善することが期待できるのです。
プレオルソのメリット
プレオルソのメリットは、以下のとおりです。
痛みや違和感が少ない
多くのこどもたちにとって、矯正装置は不快です。矯正の目的が歯並びや噛み合わせの改善でも、不快感や違和感から装置に対する嫌悪感があり、治療を途中でやめたいと思うこどもも少なくありません。
しかし、プレオルソは柔らかく、弾力性のあるマウスピースを採用しているため、装置がお口の中で与える違和感が少ないのが特徴です。小学生のこどもでもストレスなく、また拒絶反応を示さずに矯正治療を続けることができるのです。
人前で装着する必要がない
プレオルソは、学校から帰宅後の1~2時間と夜寝るときのみの装着で治療が可能です。そのため、学校生活中にマウスピースを付ける必要がなく、授業や友達とのコミュニケーションの際に矯正装置による装着の不快感や見た目の違和感の心配がありません。
また、プレオルソのメリットとして、こどもが学校でマウスピースを紛失するリスクがほとんどない点もあげられます。
口呼吸を改善できる
口呼吸は、乾燥による喉の不調、空気中の微粒子や細菌の摂取の増加、正しい歯並びや顎の成長への悪影響などが指摘されています。このような口呼吸の問題点を解消し、健康的な鼻呼吸に導くための補助としてもプレオルソは有効です。
プレオルソは、顎や歯並びの異常を改善する目的で使用される矯正装置ですが、口呼吸を矯正する効果もあります。プレオルソを装着することで舌の位置やお口の閉じ方を正しく導くため、自然と鼻呼吸を促進できるのです。
型取りが必要ない
小児矯正治療の際、多くの場合、ゴムの印象材を用いてこどもの歯型を取る必要があります。
歯型取りは、ゴム特有のにおいや感触が不快であるため、こどもたちにとって苦痛なプロセスとなることが少なくありません。特に、印象材を口に入れた際の違和感は嘔吐反射を引き起こすこともあるため、こども本人だけでなく、保護者にとっても心配になるでしょう。
しかし、プレオルソは既製のマウスピースをもとにしているため、伝統的な方法である歯型取りが不要です。マウスピースに熱を加えることで、こどもの口腔内の形状に合わせて柔軟に変形させることができます。
費用が安い
プレオルソのマウスピースは既製品として市販されているため、オーダーメイドの矯正装置に比べて費用が安いというメリットがあります。
医療費をできるだけおさえたいというご家庭の要望や経済的な背景を考慮しても、こどもの歯の健康や美しい歯並びのための選択肢として、プレオルソは大変魅力的といえるでしょう。経済的な制約があるなかでも、こどもの歯並びや噛み合わせの健康を重視したい親御さまにとって、プレオルソはおすすめです。
通院頻度が低い
プレオルソはこども向けのマウスピース型の矯正装置として知られていますが、特徴のひとつとして、非常に頑丈で日常的に使用しても壊れることが稀だという点があげられます。また、その形状や取り扱いの容易さから、紛失するリスクも低いといわれています。
従来の矯正装置のように調整が頻繁にあるわけではないので、治療中の通院の頻度が少なくて済むことも大きなメリットです。繁雑なメンテナンスや通院による時間的、経済的な負担が軽減されるため、こどものストレス軽減にもつながるでしょう。
プレオルソのデメリット
プレオルソのデメリットは、以下のとおりです。
適応症例が限られている
プレオルソは、主にこどもの顎の発育や歯並びの軽度な問題に対応するマウスピース型の矯正装置です。
しかし、治療範囲には限りがあります。特に、骨格的な異常が強く出ている場合、単に歯を動かすだけでは十分な治療効果を期待することは難しいです。
骨格的な問題とは、上顎や下顎の成長が不均衡であるために、歯だけではなく顎全体の位置関係が正常でない状態を指します。このような骨格的な異常をもつこどもにプレオルソを適用することは難しく、治療効果も限定的となる可能性が高いです。
骨格的な異常が強い場合は、ほかの矯正方法を検討するとよいでしょう。
こどもの協力が必要である
プレオルソの最大の特長は、簡単に着脱できる点です。食事の際や歯磨きの時間など、日常生活の中での不便を最小限におさえることができるため、非常に便利です。
しかし、便利さが裏目に出る場面もあります。治療効果を最大限に発揮するためには、指定された装着時間をきちんと守ることが必須です。マウスピースを外している時間が長すぎると、治療が遅れたり期待される効果が得られなかったりする可能性が高くなります。
プレオルソを使用する際は、こどもがすぐに外してしまわないよう協力を得ることが非常に重要です。
細かい動きには対応できない
プレオルソの主な目的は口腔内の基盤、つまり「正常な土台」を形成することです。顎の成長をサポートし、噛み合わせの基本的な調整をするための手段として利用されます。そのため、歯並びの詳細な調整や微細な位置の矯正をプレオルソのみで行うことは難しいです。
たとえば、歯の微小なズレや回転、すき間の詳細な調整など、より緻密な矯正治療を望む場合、マルチブラケット装置やインビザラインといった矯正方法が必要になるでしょう。マルチブラケット装置は、歯に直接ブラケットを取り付けてワイヤーで歯を調整する矯正方法で、インビザラインは、透明なマウスピースを使用して歯を段階的に動かす矯正方法です。
プレオルソの費用はどれくらい?
プレオルソの費用相場は、約30,000~200,000円程度です。価格差の理由は、クリニックごとの料金体系の違いによるものです。
プレオルソの治療費用の内訳は、以下のとおりです。
<プレオルソの治療費用の内訳>
内訳 | 費用 |
---|---|
カウンセリング | 無料 |
プレオルソ | 約20,000円 |
プレオルソの交換 | 約20,000円 |
診察 | 約2,000円 |
調整 | 約2,000円 |
一部のクリニックでは、初回の相談料や診察費用を矯正代金に含んでいるため、一見高く感じることがあります。
一方、都度支払いを基本としているクリニックも存在します。
治療を開始する前に、どのような費用構造なのか、支払い総額がいくらになるのかなどをクリニックに確認することが重要です。事前にしっかりと情報を得ておくことで今後のトラブルを防ぎ、安心して治療を受けることができます。
プレオルソは保険が適用されるのか?
プレオルソは保険適用外のため、治療費用は国の健康保険制度ではカバーされず、全額自己負担です。
保険適用外だからといって、矯正治療が「疾病の治療」として認められていないわけではありません。矯正治療は、歯並びや噛み合わせの問題を解決するためのものですが、これを「美容目的」と位置づけ、基本的な健康保険の対象外としています。そのため、治療にかかる費用は全て患者さまの負担となるのです。
まとめ
プレオルソの費用は約30,000~200,000円が相場です。保険は適用されませんが、ワイヤー矯正やインビザライン矯正など、ほかの矯正方法に比べて費用は安くおさえられます。
プレオルソは、歯の土台となる顎の発育をサポートするためのもので、細かい歯並びの調整は難しいです。
しかし、顎の形状や位置を矯正することで口呼吸を改善したり、歯並びの矯正が必要になった際によりスムーズに治療を進めることができます。さらに、プレオルソは日中の装着時間が短く、学校生活に大きな支障をきたさないことも大きなメリットです。
プレオルソの料金体系はクリニックによって異なるため、詳細な内訳などはカウンセリングでしっかりと確認しておきましょう。
プレオルソを検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。