こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。
インビザライン・ファーストは、乳歯から永久歯に生え替わる時期の6〜12歳頃を対象としています。
今回は、インビザライン・ファーストの適応条件や、向いている症例などをご紹介します。こどもの歯並びが気になる保護者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
こどもの歯並びが悪いことによるリスク
こどもの歯並びが悪いことによるリスクは、以下のとおりです。
- 虫歯や歯周病になりやすい
- 顎関節症になる可能性がある
- 発音に悪影響を与える
- 肩こりや頭痛の原因になる
- コンプレックスになる
それぞれ解説します。
虫歯や歯周病になりやすい
こどもの歯並びが悪いと、虫歯や歯周病になりやすいです。歯と歯が重なっているので、どんなに丁寧に歯磨きをしても、磨き残しが生じるでしょう。
こどもの頃から虫歯や歯周病になると、歯の寿命が短くなるので注意が必要です。症状が悪化すると、歯を抜くことになって入れ歯になるリスクもあります。
顎関節症になる可能性がある
こどもの頃から歯並びが悪いと、将来的に顎関節症になるリスクが高まります。顎関節症とは、顎を動かした際に、音が鳴る、痛みを感じるなどの症状が現れる病気です。
顎関節と歯並びは関係しており、歯並びが悪く噛み合わせがずれている状態で顎を動かすと、顎関節に大きな負担がかかります。顎関節症を引き起こす可能性があるでしょう。
顎関節症が進行すると、顎関節の内部にある関節円板がずれて口が開けられなくなることもあるので注意が必要です。
発音に悪影響を与える
歯並びが悪い状態だと、発音にも悪影響を与えます。例えば、受け口の場合は舌が正常な位置に収まっていないケースが多く、タ行やサ行の発音がうまくできなくなります。歯と歯の間にすき間があると、すき間から空気が漏れ出て正しい発音ができなくなるでしょう。
肩こりや頭痛の原因になる
歯並びが悪い状態が長期間続くと、頭痛や慢性的な肩こりに悩まされるリスクがあります。歯並びによって噛み合わせがずれていると、顎関節に強い負担がかかります。首や肩の筋肉が凝り固まり、肩こりや頭痛を引き起こすのです。
頭痛や肩こりが悪化すると、長時間姿勢を維持することが難しくなります。勉強にも悪影響を与えるかもしれません。
コンプレックスになる
こどもの頃から歯並びが悪いと、コンプレックスになって自分の見た目に自信がなくなることがあります。
幼少期や思春期にコンプレックスを持つと、精神的なストレスを抱えやすくなるでしょう。人前で話すことを避けるなど、消極的な性格になる可能性があります。
インビザライン・ファーストとは?
インビザライン・ファーストとは、混合歯列期のこどもを対象としたマウスピース矯正です。一人ひとりに合わせたオーダーメイドの透明なマウスピースを1〜2週間ごとに交換して、歯並びを整えます。
インビザライン・ファーストの特徴は以下のとおりです。
- 顎の拡大と歯並びの調整を同時にできる
- 透明で目立たない
- 虫歯のリスクを最小限に抑えられる
- 食べ物の制限がない
- スポーツなどの際も装着できる
- 生えてくる永久歯を正しい位置へと誘導できる
- 歯並びをシミュレーションできる
従来の小児矯正では、顎の拡大と歯並びの調整は分けて行っていました。インビザライン・ファーストは同時に行えることが大きな特徴でしょう。
噛み合せが悪化することを予防する、指しゃぶりなどの歯並びに悪影響がある習慣を改善するなどの効果も期待できます。
インビザライン・ファーストの適応条件とは?
インビザライン・ファーストの適応条件は、大まかに第一大臼歯と前歯が3分の2以上出ていることです。対象年齢は、乳歯と永久歯が混在する6〜12歳頃とされていますが、生え替わりの状態によって異なります。年齢だけで判断することはありません。
実際にインビザライン・ファーストの治療を検討している場合は、歯科医院を受診して適切な開始時期を相談するとよいでしょう。
インビザライン・ファーストが向いている症例とは?
インビザライン・ファーストが向いている症例は、生え始めた永久歯のスペースが足りずに正しくない位置に生えている場合や、歯と歯の間が狭い場合などです。
インビザライン・ファーストは顎を拡大しながら歯並びを整えることができます。永久歯がきれいに並ぶためのスペースが足りないことで乱れている歯並びを整えるのは得意といえるでしょう。
乳歯の歯並びを適切に整えることもできるので、永久歯がきれいに生えるようにサポートすることが可能です。
インビザライン・ファーストの注意点
インビザライン・ファーストの注意点は、以下のとおりです。
- 装着時間を守る必要がある
- 抜歯が必要になるケースもある
- 歯の動きによって治療期間が延びることがある
- 保定装置をつけないと後戻りする
それぞれ解説します。
装着時間を守る必要がある
インビザライン・ファーストでは、透明なマウスピースを装着して歯並びを整えます。マウスピースの装着時間を守らないと、計画どおりに治療が進みません。
インビザライン・ファーストの治療中は、1日20〜22時間マウスピースを装着しなければなりません。歯磨きや食事の時間以外は、基本的にマウスピースを装着して過ごします。
しかし、こどもがマウスピースに違和感をおぼえ、装着時間を守れないケースも少なくありません。インビザライン・ファーストの治療を成功させるには、お子さまの協力と周囲のサポートが重要といえます。
抜歯が必要になるケースもある
インビザライン・ファーストの治療中に、予期しない歯の動きが起きた場合や、歯の動きをコントロールできない場合は、抜歯が必要になるケースがあります。
インビザライン・ファーストは顎を拡大しながら歯並びを整えるので、抜歯のリスクは低いですが、指示された装着時間を守っていないと抜歯するリスクが高まるでしょう。定期的に通院して、歯が計画どおりに動いているかを確認することも重要です。
歯の動きによって治療期間が延びることがある
インビザライン・ファーストは、こどもの歯並びを早期に治療する方法ですが、歯の動きによって治療期間が延びることがあります。治療計画よりもスムーズに歯が動き、治療期間が短くなることもあるでしょう。
こどもの顎は成長途中なため、想定よりも歯の動きが速い・遅い場合があります。歯の動きが遅い場合、矯正装置の調整が必要になることもあるでしょう。
保定装置をつけないと後戻りする
インビザライン・ファーストの治療が完了しても、保定装置を装着しないと後戻りするリスクがあります。インビザライン・ファーストに限らず、矯正治療後は歯がもとの位置に戻ろうとする力が働きます。治療完了後は、保定装置を装着して歯並びを固定する必要があるのです。
後戻りを防ぐために、歯科医師の指示を守って保定装置を装着しましょう。
まとめ
今回は、インビザライン・ファーストの適応条件や向いている症例、注意点などを解説しました。こどもの歯並びが悪いと、虫歯や歯周病になりやすい、顎関節症になる可能性がある、発音に悪影響を与えるなど、さまざまな問題を引き起こします。
インビザライン・ファーストは顎の拡大と歯並びの調整を同時に行えるメリットの多い治療法ですが、注意点もあります。注意点を把握して治療を受けることで、インビザライン・ファーストによるトラブルを未然に防げるでしょう。
インビザライン・ファーストを検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。