こんにちは。上尾市の歯医者 とも歯科矯正歯科クリニック院長の中川です。
今回も患者さまからの質問にお答えしていきたいと思います。
今回は8さいのおとこのこからの質問です。
『先生、いつも歯磨きしているのに虫歯になっちゃうのはなんでなの?』
はい。すごくいい質問ですね!
虫歯ができるのは、みがき残しによるものがほとんどです。
この磨き残しが虫歯の細菌のエサになります。(プラーク)
お口の中にいる虫歯菌と、今お話しした虫歯菌のエサとなるプラークが口の中で合わさると、歯を溶かす毒を作って歯が溶けて、虫歯になるんですね。
歯磨きはその虫歯菌のエサとなるプラークを除去する役割をになっています。
なので不完全な歯磨きだと虫歯になってしまうんですね。
もう少し詳しく虫歯になるメカニズムをお話しします。
みなさんのお口の中には細菌がいっぱいいます。これは全員にあります。
口の中にいる細菌には『虫歯菌』と『歯周病菌』と『口腔常在菌』の3つがあります。
主に虫歯の原因となるのは『虫歯菌』で砂糖を主な栄養源としており、お口の中で滞在中に歯を溶かす酸を放出します。
この『虫歯菌』の量が増えれば増えるほど、放出される酸の量も増えるので、歯のエナメル質(歯の一番外側にある、歯全体を覆う硬い鎧の様な組織)や象牙質(エナメル質よりも内側にある、やわらかい組織)が溶けてしまい、穴が開き、虫歯になります。
甘いものをよく召し上がったり、歯にくっつきやすいキャラメルやキャンディー、砂糖入りの飲料(スポーツドリンクや濃縮還元の果汁ジュース等)を好む方は、それだけお口の中に虫歯菌のエサとなるプラークができやすい状況になり、虫歯になりやすくなります。
また、虫歯のなりやすさは食生活だけでなく、歯並びや生まれつきもった歯の質(エナメル質の硬さや量)にも関係があります。
例えば歯並びが良くなく、ガチャガチャな並びになっている場合、一部歯が重なっている場合等は時間をかけて歯磨きを頑張っても歯ブラシがどうしても届きづらく、物理的に磨けない部分もでてくるので汚れがたまってしまい虫歯になりやすくなります。
また、ご自身の歯磨きのクセで「磨きやすいところだけ磨いてしまう」とか「えづきやすくて奥歯の方まで磨けていない」等はよくあります。
例えば右利きの方は左下は磨きやすいが、右下は磨きにくい等があります。
このようにブラッシングに偏りがある場合も汚れが除去できていないことがあり、虫歯になりやすくなります。
自己流で磨いてしまっている場合、なかなか磨き癖に気付きにくく一度ブラッシングの方法等を歯科医院で教えてもらった方がいいかもしれません。
私たちは数ヶ月に一度みなさまにメンテナンス、定期検診をお願いしており、その際に専門の機械で歯石をとったりクリーニングをしておりますが、やはり一番大切なのはみなさまの「毎日の歯磨き」です。
毎食後の歯磨きをおろそかにして、私たちのメンテナンスで大丈夫と思っておられたら、今すぐにそれは違うと声を大にして申し上げます。
歯磨きがきちんとできていれば、歳をとっても自分の歯で美味しく食事も召し上がれますし、見た目の美しさもキープできます。
歯磨きがきちんとできていれば、避けられるお口のトラブルはめちゃくちゃあります。
ぜひ毎日の歯磨きを頑張っていただき、できるだけ虫歯になりにくいお口の中の環境を目指しましょう。