こんにちは。
上尾市の歯医者 とも歯科矯正歯科クリニック院長の中川です。
今回は前回の続き、子供の矯正治療についてお話しします。
子供の歯の矯正を簡単簡潔に言い表すと『未来を予想しながら進める治療』です。
例えるなら麻雀やドンジャラに似ています。(私は麻雀をやらないのでここからの麻雀のお話は間違っているところがあるかもしれませんが、ご容赦ください。)
麻雀やドンジャラって、配られた牌を元に交換しながら最終的に良い役を作っていきますよね。
なので最終的にどんな役になるかはわからないまま進めていきます。
子供の歯の矯正治療もこれによく似ています。
最終的にきれいに並べたいのは大人の歯です。
ただ、小児矯正を始める場合大人の歯は何本か生えているものの、多くは子供の歯が残ったまま進めます。
大人の歯は子供の歯より大きいこともあれば、小さいこともあります。
つまり、大人の歯と子供の歯の大きさは違うのです。
ということは子供の歯を矯正してきれいに並べても、大人の歯が子供の歯と違う大きさのものが生えてきたらきれいに並ばなくなるということです。
これが子供の矯正治療で一番難しいところです。
先ほどお伝えした麻雀の話ですが、
どんどん牌を変えていって(子供の歯が大人の歯に生え変わっていって)、
いい役を作りたいが、思った通りの牌が来ないこと(大人の歯の大きさが子供の歯と大分違っている)もあり、
きれいに役を作るには先を見越して勝負しないといけない(大人の歯の大きさを予想して矯正しないといけない)
のが難しいということです。
今は分かりやすく歯の大きさに絞ってお話をしていますが、お子さんは成長をします。
顔の大きさも変わります。顎も大きくなります。また、上の顎と下の顎の成長度合いも違います。骨が大きくなるのです。
お子様が将来後何センチ身長が伸びるのが分からないのと一緒で、顎の骨もどれくらい成長するかは誰にも分かりません。
出てくる大人の歯の大きさは良くても、出てくる角度が良くないかもしれません。
大きさも角度も良くても、出てくるべきところでない所(内側や外側)に出てくることもあります。
本当に色々なことが起こります。
その色々なことを全て予想しながら矯正をしていきます。
みなさんご経験があるとおもいますが、お口の中は髪の毛1本あってもすごく違和感を感じます。
その髪の毛1本の違いもなく、正確にお子さんのこれから生えてくる大人の歯の大きさや顎の成長程度、生えてくる歯の角度や場所を全て狂いなく予想できたら小児矯正はすごく簡単になります。
でも、そうじゃないんです。
やはり予想は予想で、100パーセント当たることはありません。
麻雀もこれからくる牌が全てわかっていればこんな簡単な事はないですよね。
それと似ていて、なので小児矯正は実はすごく難しいのです。
「子供の歯だから簡単でしょ」って思って簡単に始めたら、大切な息子さん、娘さんが大変な思いをすることもあります。
もし小児矯正をお考えの際は、しっかりと担当の方のお話を聞いて、しっかりとご理解していただいた上で治療を受けることをおすすめします。
あ。もちろん小児矯正がダメ!ってことでは一切ありません。
当院でも積極的に小児矯正は勧めております。すごくいい治療法ですし、きちんと理解していていただければ必ずお子様の素晴らしい将来を約束してくれます。
素晴らしい結果をもたらしてくれる小児矯正ですが、装置によってもメリット、デメリットがあるので、次回はそのお話をしていきたいと思います。
小児矯正は奥が深いですよーー!!