歯のコラム

患者さまからの質問に答えます!虫歯治療をしてもまた虫歯になるの

こんにちは。

上尾市の歯医者 とも歯科矯正歯科クリニック院長の中川です。

今回は実際患者さまから質問を受けた内容についてお話ししていこうと思います。

先日45歳の男性の患者さまから質問を受けました。

その方は当院に銀歯が取れたから治してくださいという主訴でいらっしゃいました。

実際の治療の際に「この歯は前に治療をして、銀歯を詰めたからもう大丈夫だと思っていたけど、治してもまた虫歯になるの?

と質問をされました。

そうですよね。一回治してしまえばもう大丈夫と思ってしまいますよね。

実はそれは大きな間違いなんです!

ちゃんと治療したの??と疑いたくなってしまう気持ちもわかります。しかしむしろ、1度治療した歯は削っていない歯よりさらに虫歯になりやすくなるのです。

虫歯になった歯は虫歯菌に侵された部分を削り、そこを埋めるように詰め物や被せ物をして治療する事がほとんどです。

そこから再度虫歯になる理由は大きなポイントとしては2点です。

①サビ

②たわみ

 

①サビと言われるとびっくりするかも知れません。しかし銀歯は色々な合金で作られているのですが銀が50パーセントくらい配合されているので、唾液に触れることで少しずつ錆びてきます。

実は最も虫歯になりやすいところがあります。それは歯と歯の間です。

なぜなら歯ブラシでは毛先が届かずに汚れが取れず、知らず知らずのうちに汚れが溜まってしまうからです。

なので糸ようじ(デンタルフロス)や歯間ブラシを上手に使わないと綺麗に保つ事ができません。

そのため歯と歯の間から銀歯のサビが起きて隙間ができます。

その隙間から虫歯菌が侵入して、また虫歯となるのです。

歯ブラシでは届かない歯と歯の間を清潔にすることは大切ですね。

②たわみ  について説明します。

「銀歯ってたわむの?」と思われるかも知れませんが、銀歯はたわみます!

なぜなら人間の噛む力は自分の体重以上の力がかかります。具体的には50〜80キロ以上の力が加わっているからです。

しかも一日の噛む回数はおよそ1800回ほどと言われています。

毎日強い噛む力が何度も何度もかかっているので金属が少しづつ変形を起こします。

また銀歯は、本来歯とはくっつかないものでセメントの接着力で無理矢理停めているものでセメントの隙間から虫歯菌が侵入してしまいます。

銀歯が変形を起こせば当然隙間ができますので、そこから虫歯菌が入ってきます。

実際に銀歯の治療をした後、また再度虫歯になる平均年数の研究データがあり、なんと銀歯の詰め物(小さい銀歯)は5年。被せ物の銀歯(大きい銀歯)は8年となっています。

もちろん平均なので、もっと長く持つ方、短い方いらっしゃいます。

また銀歯は先ほどお話しした通り、セメントと実際はしっかりくっついていません。これを専門用語で「合着」と言います。歯と金属の凹凸にセメントが入り込み固まるという機械的な(メカニカル)なくっつけ方です。少しづつセメントが溶け出してしまう状態です。

そのためたわみにより、セメントが溶け出したところから虫歯になるのですね。

これに対しての予防策としては、保健治療ではなく自費診療になってしまうのですが、セラミックを使うことが多いです。

セラミックはセメントと化学的(ケミカル)に接着させる事が可能です。これを専門用語で「接着」と言います。歯とセラミックが一体化するイメージです。セメントは溶け出さず隙間もほとんど作られない、虫歯菌の侵入を防げるとてもいい状態です。

セラミックで治療をすると銀歯が5年から8年平均だったところ30年程持つとの結果も出ています。

 

 

今回は、虫歯治療をしてもまた虫歯になってしまうのはなぜ?という質問にお答えしました。

また質問にお答えして参りますので何かご不明な点がありましたら、なんでもご相談下さい。