こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。
歯茎が腫れたり出血したりしている場合、歯周病の疑いがあります。進行すると最悪の場合には歯を抜かなければならないケースもあるため、早めに治療を受けることが大切です。
この記事では、歯周病の治療法と治療の流れ、費用について解説します。歯周病の進行を抑えるための対策についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
歯周病とは
歯周病とは、歯の周りの歯茎や歯を支える骨が溶ける病気です。歯周病の原因は、歯垢（プラーク）です。歯垢が歯と歯茎の溝に溜まることで炎症を引き起こします。
歯周病になると、歯茎の腫れや出血、口臭などの症状が現れはじめます。進行すると、膿が溜まったり歯がぐらついたりし始め、最終的には歯が抜け落ちることがあるため、早期に治療を受けることが大切です。
歯周病の治療法
歯周病は、進行度に応じた治療が必要です。ここからは、歯周病の一般的な治療法について解説します。
歯周基本治療
歯周基本治療は、軽度の歯周病から重度の歯周病まで、すべての症例で行われる基本的な治療です。軽度の歯周病であれば、この基本治療のみで改善する場合もあります。歯周病の原因となる歯垢や歯石を除去することを目的とした治療を行います。
スケーリング
スケーリングとは、歯の表面や歯周ポケット内に付着した歯石を専用の器具で除去する処置です。
歯石は歯垢が硬くなったもので、歯ブラシでは落とせません。歯石の表面はざらざらとしており、その周辺に歯垢が付着しやすくなります。これによって、歯周病が進行するリスクが高まります。歯石を取り除くことで、炎症の原因を減らし、歯茎の健康を回復させます。
ルートプレーニング
ルートプレーニングとは、歯根の表面を滑らかにする処置です。スケーリングを行ったあとの歯の表面はざらついており、細菌や歯石が再付着しやすい状態になっています。歯根の表面をツルツルにすることで、細菌の付着を防ぎ、歯周病の進行を抑えます。
歯周内科治療
歯周内科治療は、検査を通じて歯周病菌の種類や数を特定し、菌に応じた薬を服用する治療法です。歯磨き粉やうがい薬も併用し、口腔内の環境を改善します。検査方法は、位相差顕微鏡による検査やPCR検査です。
歯周病の根本の原因にアプローチできるため、再発リスクを抑えられるというメリットがあります。
歯周外科治療
歯周基本治療だけでは改善がみられない場合、外科的な処置が必要になることがあります。歯周外科治療には、大きく分けてフラップ手術と歯周組織再生療法の2つがあります。
フラップ手術
歯茎を切開し、歯周ポケットの奥深くに付着した歯石や炎症組織を除去します。歯周ポケットの深くに付着した歯石を目で見て確認しながら除去できるため、取り残しを防げます。これによって、歯周ポケットを浅くすることができます。
歯周組織再生療法
重度の歯周病によって失われた歯槽骨や歯茎を回復させるために行う治療です。歯肉を切開し、歯垢や歯石、炎症組織を取り除いたあと、薬剤を注入したり骨を移植したりして縫合します。歯周組織再生療法のメリットは、歯を支える組織を回復させ、歯を残せる可能性が高まる点です。
ブラッシング指導
歯周病の進行を防ぐためには、自宅でもしっかりとブラッシングをして口腔内の歯垢を取り除くことが大切です。歯科医院では、患者さんの歯並びや歯垢の付着状況に合ったブラッシング方法を指導します。
歯周病治療の流れ
ここでは、歯周病治療の一般的な流れについて解説します。
検査
まず、歯周病の進行状況を正確に把握するために、検査を行います。具体的には、専用の器具を使って歯周ポケット（歯と歯茎の間の溝）の深さや、歯のぐらつき具合、歯垢の付着状況などを確認します。また、レントゲン撮影を行い、歯を支えている歯槽骨の状態も確認します。
歯周基本治療
歯周病の状態を確認したら、基本治療に進みます。軽度の歯周病であれば、歯周基本治療のみで改善し、進行を抑えることが可能です。スケーリングとルートプレーニングに加え、ブラッシング指導が行われます。
再検査
基本治療が完了したら、再検査を行います。歯周基本治療後は、歯と歯茎の間の歯石が取り除かれ、隙間ができている状態です。この隙間である歯周ポケットが改善されているか、炎症が落ち着いているかを確認します。
ただし、歯周ポケットがまだ深い場合や、炎症が続いている場合は、さらに治療が必要です。
歯周外科治療
重度の歯周病や、歯周基本治療では改善しない場合、外科的な治療が行われます。歯茎を切開して歯根の奥深くの歯石を取り除く治療や、歯周組織を再生する治療を行います。歯を支える歯槽骨が大きく溶けている場合は、抜歯する場合もあります。
メンテナンス
歯周病は再発しやすいため、治療が完了したあとも定期的にメンテナンスを受ける必要があります。お口の状態や治療方針によって異なりますが、3〜6ヶ月に1回程度の頻度で歯科医院を受診して口腔内の状態をチェックしてもらいます。
自宅でのブラッシングで取り除けていない歯垢や歯石を取り除き、歯周病を予防します。
歯周病治療にかかる費用
歯周病治療にかかる費用は、歯周病の進行度や治療内容によって異なります。基本的に重症になるほど通院回数が増え、高額な費用が必要です。ここでは、歯周病治療の費用を進行度別に解説します。
軽度の場合
軽度の歯周病は、歯茎に軽い炎症が見られる状態です。スケーリングや適切なブラッシングで改善が期待できます。
治療費用は、保険適用で5,000円〜1万円程度となることが多いです。治療が完了するまでの期間は1〜2ヶ月程度で、4回程度の通院が必要になるでしょう。自費で治療する場合の目安は、1万円〜5万円程度です。
中等度の場合
中等度の歯周病では、歯茎の腫れや出血、口臭の悪化が見られます。スケーリングに加えてルートプレーニングが必要です。
治療費用は、保険適用で1万円〜1万5,000円程度が目安です。通院回数は6回以上必要でしょう。口腔内の状態によりますが、治療が完了するまでは3ヶ月〜1年ほどかかります。自費で治療する場合の目安は、5万円〜50万円程度です。
重度の場合
歯周病が重度の状態にまで進行すると、歯がぐらつき始めます。歯周基本治療に加えて、歯周外科治療が必要となります。
治療費用は、保険適用で1万5,000円〜2万円程度かかることが多いです。治療完了までに1年以上かかり、10回以上の通院が必要になります。自費で治療する場合は、20万円以上かかることもあるでしょう。
歯周病の進行を抑えるためには
歯周病の進行を抑えるためには、生活習慣を見直すことが大切です。ここからは、具体的にどのように改善すればよいのか解説します。
正しくブラッシングする
歯周病予防の基本は、毎日の適切なブラッシングです。すでに歯周病になっている方は、ブラッシングが正しくできていない場合があります。以下のポイントに注意して歯磨きを行いましょう。
- 歯と歯茎の境目に歯ブラシを45度の角度で当てる
- 軽い力で小刻みに動かして磨く
- 1本につき20回以上磨く
- 歯間ブラシやデンタルフロスを使用する
毎食後ブラッシングするのが理想ですが、1日に何度も丁寧に磨くのは難しいでしょう。特に、寝ている間は口腔内が乾燥して細菌が繁殖しやすいため、就寝前は丁寧に磨きましょう。
食生活を改善する
食生活で心がけたいのは、食べ物と食べるタイミングです。糖分を含む食べ物や飲み物を多く摂取すると口の中が酸性に傾き、細菌が増えやすくなります。また、間食が多く、だらだらと食べるのも、プラークを増やす行為です。
歯周病の進行を抑えるためにも、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。例えば、以下のような食品が効果的です。
- ビタミンC：ブロッコリー・キウイなど
- ビタミンE：大豆・アーモンドなど
- 食物繊維：こんにゃく・きのこ・ひじきなど
ビタミンCには歯の健康を保つ効果、ビタミンEには歯周組織の炎症を抑える働きがあります。食物繊維を多く含む食品は、よく噛むことで唾液の分泌を促し、歯垢を付着しにくくします。
禁煙する
喫煙は、歯周病リスクを高める要因です。タバコに含まれるニコチンは、歯茎の血流を悪化させ、歯周病の進行を早めます。また、タバコを吸うと免疫力が低下し、細菌に対する抵抗力が弱まります。タバコを吸ったあと、口の中に残るヤニも、細菌を付着しやすくする原因です。
禁煙すると、歯周病にかかるリスクを減らせます。口臭の改善や歯の黄ばみ防止にもつながるため、タバコを吸っている人は禁煙しましょう。
十分に睡眠をとる
歯周病を進行させないためには、十分に睡眠をとることも大切です。睡眠不足になると、免疫力が低下したり、自律神経のバランスが崩れて唾液の分泌量が少なくなったりします。その結果、細菌が繁殖して、歯周病になるリスクが高まります。
適切な睡眠時間は、1日6〜8時間です。寝る前のスマホの使用は控える、毎日同じ時間に起きて生活リズムを整えるなどして、質の良い睡眠をとれるよう心がけましょう。
ストレスを溜めない
ストレスを溜めないことも、歯周病の進行を抑えるうえで重要です。ストレスが溜まると、免疫力が低下したり唾液の分泌量が減ったりして、歯周病を悪化させる原因になります。
趣味の時間やリラックスできる時間を設けたり、適度に運動したりするなど、自分に合った方法でストレスを発散しましょう。
まとめ
歯周病は歯茎や歯を支える組織が細菌によって炎症を起こし、最悪の場合には歯が抜け落ちる病気です。どの進行段階においても、歯垢・歯石を除去し、炎症を抑える歯周基本治療が行われます。基本治療で改善がみられない場合は、歯周外科治療が必要です。
重症になるほど通院回数や治療費用が増えるため、気になる症状がある場合は早めに歯科医院を受診しましょう。
歯周病の治療を検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みを癒すだけでなく生活の質を向上できる歯科治療を目指して診療を行っています。小児矯正・小児歯科や成人矯正、虫歯・歯周病治療、ホワイトニングなどさまざまな治療を行っています。