歯のコラム

子どもが口呼吸になる原因と歯並びへの影響を解説!

こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。

口が開いている子供

「子どもの口がいつも開いているけど、大丈夫かな?」と不安を抱える保護者の方はいませんか。口がポカンと開いていて、口で呼吸をしている状態を口呼吸と呼び、実は身体にさまざまな影響を及ぼすことがあります。

今回は、子どもが口呼吸になる原因や口呼吸が及ぼす影響、改善方法などについてくわしく解説していきます。お子さまが口呼吸をしていることにお悩みの保護者の方は、ぜひ参考にしてください。

口呼吸をしている子どもの特徴

姿勢が悪い子供

お子さんが「口呼吸になっているかも」と思ったときは、以下のような特徴があるかチェックしてみてください。

  • 常に口が開いている
  • 姿勢が悪い
  • 音を立てて食べる
  • いびきをかきやすい
  • 風邪をひきやすい
  • 唇をなめる
  • 滑舌が悪い

常に口がポカンと開いているお子さんは口呼吸になっている可能性が高いです。また、口呼吸は乾燥を招くので唇が乾燥していて白っぽくなっていたり、唇を舐める癖が見られたりします。また、風邪をひきやすくなる場合もあるでしょう。

ほかにも、食事中に音を立てて食べたり、息がしづらそうにしていたりするケースでも口呼吸になっている可能性が考えられます。

子どもが口呼吸になる原因

歯並びが悪い子供

子どもが口呼吸になる原因には、以下のようなものが挙げられます。

  • 歯並びや噛み合わせが悪い
  • 鼻にトラブルがある
  • 口周りの筋肉が発達していない

それぞれくわしく解説していきます。

歯並びや噛み合わせが悪い

口呼吸になりやすい歯並びの代表的なものとして、出っ歯や受け口が挙げられます。このような歯並びは口を閉じにくい傾向があり、自然と口が開き口呼吸になりやすいです。

また、上下の顎のバランスが悪く、噛み合わせに影響を与えている場合にも、上下の歯の間に隙間ができて口呼吸を引き起こしやすいです。

鼻にトラブルがある

鼻炎や鼻づまりなどのトラブルがあると、鼻からの空気を取り込むことができず、口呼吸になります。鼻づまりが慢性化していると、それだけ口呼吸の癖が身につきやすくなるでしょう。

口周りの筋肉が発達していない

口周りの筋肉が弱いことも口呼吸の原因になります。口周りの筋肉や舌の筋肉の発達を妨げる原因には、以下のようなものが挙げられます。

  • 柔らかい食事をとる回数が多い
  • 噛む回数が少ない
  • 口周りの筋肉の成長を妨げる癖がある

口周りの筋肉が発達していないと、口を閉じた状態を維持するのが難しくなるため、自然と口が開き口呼吸になります。また、舌の筋力が低下すると舌の位置が下がって口呼吸を引き起こすこともあるでしょう。

口呼吸だと歯並びに影響が出る?

口呼吸だと歯並びに影響が出るかイメージ

口呼吸は歯並びの乱れを引き起こす恐れがあります。本来、舌が上の前歯の裏側に位置していることで上顎の成長を促します。

しかし、口呼吸になっていると舌が下がるため、上顎が成長しにくくなるのです。上顎が成長せず、歯を並べるためのスペースが確保できないと、結果として出っ歯になることがあります。

また、口呼吸になっていると舌が落ちた状態になるため、下の前歯が押し出されて下の顎が前方に突き出す反対咬合(受け口)を引き起こす原因にもなるでしょう。

口呼吸が身体に及ぼす影響

口が開いている子供

口呼吸は歯並びに影響を与えるだけでなく、身体にも以下のような影響を及ぼす恐れがあります。

  • 風邪をひきやすい
  • 虫歯になりやすい
  • 口臭がきつくなる
  • いびきをかきやすい
  • 睡眠時に無呼吸を引き起こす

一つずつ詳しく解説していきます。

風邪をひきやすい

口呼吸は、風邪や花粉症、アレルギーなどの発症リスクを高めます。本来、鼻呼吸によって取り込んだ空気に含まれる埃やウイルスなどは、鼻の粘膜によってカットされるため、直接体内に入らないようになっています。

また、鼻には加湿の役割があるため、冷えた空気や乾燥した空気を、温かく湿度の高い空気にしてから体内に取り込むことを可能にしています。

しかし、口呼吸の場合にはフィルターの役割がありません。そのため、埃やウイルスが直接体内に入り込まれたり、冷たく乾燥した空気が直接喉を刺激したりするため、風邪やアレルギーを引き起こすリスクが高まるのです。

虫歯になりやすい

口呼吸が習慣化していると、虫歯になるリスクが高まります。唾液には歯の表面についた汚れを洗い流す作用や、酸によって溶かされた歯を元に戻す再石灰化などの作用があります。そのため、唾液によって口内が潤っていれば虫歯になりにくい環境といえます。

しかし、口呼吸が習慣化していると、口内が乾燥して唾液の分泌量が減ります。すると、これらの唾液の働きが抑えられるので、虫歯や歯周病などの口内トラブルを起こす恐れがあるのです。

口臭がきつくなる

上述のとおり、口呼吸によって口内が乾燥すると、唾液の分泌量が減ります。唾液が口の中を循環しなくなると、食べかすなどの汚れが口の中に留まり続けることになるため、口臭がきつくなることがあるのです。

いびきをかきやすい

寝ているときに口呼吸をしているといびきをかきやすくなります。口呼吸になると、舌の位置が下がり、気道が狭くなります。すると空気抵抗が大きくなり、いびきの音が大きくなるのです。

睡眠時に無呼吸を引き起こす

睡眠中に気道が狭くなりすぎると、空気の通り道がなくなり、呼吸がとまったり、浅くなったりする睡眠時無呼吸症候群になる可能性が高まります。無呼吸状態が長く続いたり、頻繁に起こったりすると睡眠の質が悪くなる可能性があります。

ほかにも、体内に酸素が行き届かないために心臓や血管などに負担がかかることもあるでしょう。その結果、高血圧や心臓疾患などの病気を引き起こす恐れがあります。

子どもの口呼吸を改善する方法

子どもの口呼吸を改善する方法イメージ

口呼吸をしていると、歯並びだけでなく全身にも良くない影響が起こるリスクがあることがわかりました。では、子どもの口呼吸を改善し、鼻呼吸になるように導くためにはどうしたらいいのでしょうか。

子どもの口呼吸を改善する方法は、以下のとおりです。

  • 歯列矯正をする
  • 耳鼻咽喉科で相談する
  • 口周りの筋肉を鍛える

それぞれ解説していきます。

歯列矯正をする

歯並びや噛み合わせが悪いことで口呼吸になっているお子さんは歯列矯正をしたほうがよい場合があります。矯正によって出っ歯や受け口などが改善されると口が閉じやすくなり、鼻呼吸を行いやすくなるためです。

一度、歯科医院で歯並びが口呼吸の原因になっていないか相談してみるとよいでしょう。

耳鼻咽喉科で相談する

いつも鼻がつまっていたり、アレルギーなどで口呼吸になったりしている場合は、耳鼻咽喉科や小児科の専門医に相談し、鼻の適切な治療を受けるのがいいでしょう。鼻のトラブルが解消されると、鼻から空気を取り込みやすくなるので、口呼吸が改善される可能性があります。

口周りの筋肉を鍛える

口が自然と閉じるようにするためには、口周りの筋肉を鍛えることも大切です。

例えば、食事のときにはよく噛んで食べる習慣を身につけることや、成長にするにつれて硬い食べ物が食べられるようになったら、噛みごたえのある食べ物を与えるなどの方法があります。噛む力や飲み込む力が身につけば、口周りの筋肉を鍛えられるでしょう。

また、口を大きく動かす体操などで意識的に口周りを動かすことも口呼吸を改善する効果が期待できます。

まとめ

口呼吸で寝ている子供

今回は、子どもが口呼吸になる原因やリスク、改善する方法について解説しました。

子どもが口呼吸になっていると、口周りの筋肉が正しく鍛えられず、出っ歯や反対咬合などの歯並びが乱れる原因になることがあります。

口呼吸になっていることはほかにも、虫歯になるリスクが高まったり、風邪を発症しやすくなったりもするでしょう。いびきの原因にもなります。

子どもの口呼吸を改善するためには、その原因を取り除く必要があります。歯並びや噛み合わせが悪いことで口呼吸になっている場合には歯列矯正が検討できるでしょう。鼻づまりなどが原因の場合には耳鼻咽喉科を受診して相談してください。

小児矯正を検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。