こんにちは。上尾市の歯医者 とも歯科矯正歯科クリニック院長の中川です。
今回は前回の続き、患者さまからの質問に答えます! 「歯が抜けたらどうすればいいの?」の第三弾『入れ歯』編です。
日本に残っている一番古い木の入れ歯は、和歌山市願成寺の尼僧(通称仏姫)が入れていたものです。
仏姫は1538年に亡くなっているので、すでに室町末期に木の入れ歯が作られていたことになります。
江戸時代に木の入れ歯を入れていた有名人には、本居宣長、杉田玄白、滝沢馬琴、柳生宗冬などがいます。
ブリッジやインプラントに比べてかなり歴史のある治療になっています。
やはり昔の人も歯が抜けた後に苦労していたようですね。
さて、入れ歯も二つに分かれます。
部分入れ歯と、総入れ歯です。
総入れ歯とはその名の通り全て入れ歯、つまり全ての歯がなくなった際に作る大きな入れ歯です。
歯がなくても吸盤の力を利用して、顎に陰圧で引っ付けるようにして安定させます。
対して部分入れ歯は、いくつかご自身の歯が残っていて、抜けた歯が全てでない場合に製作します。
ほとんどが残っている歯にバネのようなものを引っ掛けて入れ歯を安定させるようになっています。
部分入れ歯の方は、なくなった歯を部分的に補う治療法です。
プラスチック製の歯茎に似た土台を、金属等でできたバネを隣の歯に引っ掛けて固定します。
入れ歯とブリッジはメリットとデメリットが相反するものが多いです。
1番のメリットは、ブリッジと違い健康なご自身の歯をほとんど削らないという点です。
バネが引っかかる歯に調整を加えるため、少しだけ削ることはありますが、ほとんど削らないというのは大きなメリットかと思います。
続いてもメリットは、ブリッジはセメントでガッチリ固定して取り外しはしませんが、入れ歯は取り外しができます。
外せるということは、外して周りの歯をしっかり磨け、また入れ歯自体も外してお口の外でしっかり除菌したりお手入れができるため、清潔に保てます。
メリットもう一つは治療自体が楽に終わります。
極端な話をするのであれば、お口の型取りをするだけでもう入れ歯は出来上がります。
大きく削ったり、外科的な処置をしたり、何回も通っていただく必要があまりありません。
後は一般的にブリッジやインプラントに比べて、費用が安いことが多いです。
色々いい事がありますね!
でももちろんデメリットもございます。
デメリットもブリッジと相反するものが多いです。
まずは噛む力は自分の歯で噛む力を100とするなら、30から40くらいです。ブリッジには劣ります。
入れ歯は取り外しができる装置ゆえ、取り外し用の「あそび」があります。そのためカタついたり沈んだりします。
それによりどうしてもガッチリ固定タイプのブリッジより噛む力は弱いです。
またブリッジに比べると、大きな装置なので異物感が増えます。口の中で邪魔な感じがすることがあります。
「おえっ」ってなりやすい方には最初ツライ事があることもあります。
入れ歯にはバネがありますが、そこに汚れがたまりやすいのもデメリットになります。汚れがついたままですと入れ歯ではなく、ご自身の歯が虫歯になってしまうこともあります。
まとめますと。。。
メリット
①歯をほとんど削らずに作成できる。
②取り外しができるためお手入れがしやすい。
③治療が楽
④費用が安価なことが多い
デメリット
①噛む力が他のものと比べると弱い
②装置の異物感がある
③汚れが溜まりやすい形をしているため、お手入れをおこたると自分の歯にも悪い影響が出る。
入れ歯は昔からある治療で、色々新しい技術も開発され見た目がとてもキレイなものもございます。
「入れ歯は目立つから嫌だな」と思っていらっしゃる方にも目立ちにくいものもありますので、一度ご相談ください。