こんにちは。上尾市の歯医者 とも歯科矯正歯科クリニック院長の中川です。
前回の患者さまからの質問『歯が抜けた後はどうすればいいの?』
の回答と解説を行う第二弾です。
前回は歯を抜いても何もしない。という選択肢をお話ししました。
この何もしないというのは特殊な状況なので、適応としては限られます。
それでは今回からは実際に何かお口の中に抜いた後に装着するもののお話をしていきます。
先に答えから申し上げます。
歯を抜いた後に何かしら入れるのであれば、選択肢は3つあります。
①ブリッジ
②入れ歯
③インプラント
以上3つになります。
大きく分けてこの3つですが、その中でも色々枝分かれをします。(例えば保険が効くもの、効かないもの等)
今回は①ブリッジについてお話しします。
まずブリッジとはその名前の通り、無くなった歯を中心に両隣の歯を削って被せ物を作り、『橋(ブリッジ)』のようにつなげる治療方法です。
まずは抜かないといけない歯の抜歯をします。
次に両隣の歯を被せ物(ブリッジ)を作るために削ります。
削った歯を型取りしてブリッジを作ってきます。
調整をしてピッタリあわせたものをお口の中にセメントで付けて完了です。
ブリッジの一番いいところは「自分の歯と同じように噛む事ができることです」
また入れ歯と違い、取り外しもしないので使い勝手がいいところもメリットの一つですね。
経済的にも、保険が適用できるものが多くあるのでインプラントや自費の治療に比べるとかなり安価に作る事が可能です。
メリットがある反面、デメリットも存在します。
それが『両隣の歯を削ること』と『両隣の歯に負担がかかること』です。
両隣の歯が虫歯も何も無い健康な歯だったとしてもブリッジが入るように大きく削る必要があります。
「虫歯では無いのに」大きく削るので大きな虫歯となって削った歯と同じような状況になります。
なので当然歯の寿命が減ってしまいます。
またブリッジは失った歯を両隣の歯でさせている構造になっています。
そのため、両隣の歯に元々抜いた歯が支えていた噛む力がいくので、両隣の歯には単純に1.5倍の力がかかります。
ちょっと分かりにくいので、例えるなら江戸時代の籠です。
支えている歯が籠の担ぎ手で、抜けた歯が籠に乗っている人です。
ずっと担いでいると担ぎ手は疲れますよね。
すると疲れが溜まり、担ぎ手が倒れてしまいます。
倒れてしまうと怪我をしてしまいますよね。
実際のブリッジでも痛みなどの負担過剰による症状が出る事があります。
特に神経を抜いている歯は根本から折れたりすることもあるので注意が必要です。
自分の歯の負担が大きく、長期的にみるとみるともろくなり、再治療することが多くあります。
ブリッジにはメリット、デメリットがあります。
その特性をしっかりと理解いただいた上でこの選択をするかどうか、私たちと一緒に相談して決めていきましょう。
ブリッジのメリット
①自分の歯と同じように噛む事ができる。
②取り外しをしないため、使い勝手がよい。
③保険適用できるものもあるため、比較的安価に選択できる。
ブリッジのデメリット
①虫歯でない健康な歯であっても、両隣の歯を大きく削る。
②両隣の歯の負担が増えるため、歯の寿命が短くなることがある。
③ブリッジの中が虫歯になったり、歯が折れたりすることがあり再治療が必要なことがある。
以上今回は『歯を抜いた後はどうするの?』のブリッジ編でした。
細かいところはまだまだ話足りないところもありますので、ぜひ当院で歯を抜いた後はどうするか、お話ししましょう!
次回は『歯を抜いた後はどうするの?』の入れ歯編の予定です。