こんにちは。
上尾市の歯医者 とも歯科矯正歯科クリニック院長の中川です。
12月も半ばになりました。日に日に寒くなってきたので我が家でもコタツを出しました。
愛犬のくるみちゃんがこたつの中でいつも丸まっているのに癒される毎日です。
さて今回も日々の診療で患者さまから受けた質問をご紹介し、お答えしていきたいと思います。
今回の質問は50代女性の方からいただいた質問です。
この方は虫歯の治療で当院にいらっしゃいました。
しかし、どうしても抜かないといけない歯があり先日抜歯の説明をし、予定通り抜歯をいたしました。
抜歯自体は痛くなく、すぐに完了しましたので問題ないのですがここで質問を受けました。
「先生、歯を抜いて楽になったけど、この後はどうなるんですか?」
うん!すごくいい質問ですね!
それではお答えしていきます。
先に結論からお答えしますと、歯を抜いた後の選択肢は5つございます。
①何もしない(抜いたら抜きっぱなし)
②ブリッジ(両サイドの歯を削って被せ物を橋渡しする)
③入れ歯(取り外しができる部分的もしくは総入れ歯)
④インプラント(骨の中にボルトを埋め込み、新しく歯を作る)
⑤矯正(ワイヤーやインビザラインで歯を動かす)
以上が歯を抜いた後に行なう事です。
それでは一つずつ解説していきましょう。
①何もしない
これは文字の通り、抜いた後に何も処置せずそのまま抜きっぱなしの状態です。
抜けた歯の場所によっては、この抜きっぱなしという選択肢もよく用います。
その最たる例が親知らずです。
親知らずはその歯と噛み合わせる上、もしくは下の歯が無い事も多く、歯を抜いても影響はありません。
ただし、親知らずでない、通常の歯を抜いた時はこの選択肢はあまりオススメいたしません。
例えば下の歯の後ろから2番目の歯が抜けたとしましょう。
まずは抜いた歯の隣の奥歯が食事等で噛むことにより抜いたところに倒れ込んできます。
隣の歯が倒れ込んでくると歯磨きがしにくい状態になり、健康な隣の歯が虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。
また、下の歯が抜けた場合はその歯に噛み合っていた上の歯がどんどん伸びてきます。
上の歯は噛もう噛もうと無くなった歯のバランスを取るためにどんどん伸びてくるんですね。
これは空いたスペースを埋めようとする人体の自然な動きです。
このまま何もせずに放置していると、歯並びが悪くなり噛み合わせにも影響が出ます。
抜けた歯を放置して、隣の歯や上の歯が抜いたスペースを埋めようと動いてきてしまった後に、いざブリッジ治療をしようとしても、ブリッジを作る際には傾いた歯、伸びてきてしまった歯を大きく削らないといけなくなります。
通常よりも健康な歯を削る量が多くなってしまうんですね。
やはり健康な歯を余計に削りたくないですよね。もちろん私たち歯科医師も健康な歯を大きく削るのは推奨しません。
なので抜いたら抜きっぱなしというのはあまり良く無い事が多いです。
ただ正直なところ、歯が1本抜けたことで最初は噛みにくかったり、違和感があったとしても徐々に慣れてきてしまう事多いです。
本当に人間の体ってすごいですよね。
なので「もう違和感もないし、噛めるからこれでいい!」ってご自身で判断される方もいらっしゃいます。
しかしその状態でどこかの歯が虫歯になってしまうと、連鎖的に周りの歯も蝕んでいく事が多いのでやはり歯が抜けたらそのまま放置せず、早めに何か治療をするのをオススメします。
1本1本の歯が他の歯にも影響しあっているのがみなさんのお口の中なんですね。
さて、今回は歯を抜いた後の処置の「①そのまま何もせず抜きっぱなし」について解説しました。
次回は②以降の治療についてお話しいたします。
どうぞお楽しみに!