歯のコラム

歯が失われる(抜歯になる)ステージ

こんにちは。

上尾市の歯医者 とも歯科矯正歯科クリニック院長の中川です。

前回のブログの続きです。

前回は45歳くらいまでは歯の治療だけであまり歯を抜くことはないが、45歳くらいを過ぎてくると歯の治療だけではなく、歯を抜かないといけなくなることが多いというお話をしました。

今回はなぜ歯の治療ではなく、抜かないといけなくなるか。そこのところを詳しくお話していきたいと思います。

前述の通り虫歯になるのと歯の治療とを繰り返すと、そのうち治せない歯が多くなり徐々に歯が失われてしまいます。

では治療で治せない歯とはどんな状況なのでしょうか。

例えば水差しからコップに水を注ぐ際、コップにある程度までは水を溜められますが限界を超えると水がこぼれてしまうのと似ています。その限界の始まりが45歳くらいが多いです。

歯も同じで虫歯の治療を繰り返して限界を超えると抜歯になってしまうのです。

そのため、歯の寿命の最終ステージ(ステージ4)にはかなり注意が必要です。

最終ステージ(ステージ4)とは具体的にどういう歯の状態かをお話しします。

それは前回まででお話した、神経を抜いてかぶせものをしている歯です。いわゆる「差し歯」の状態ですね。神経を抜いて、神経が通っていた管に歯を刺しているものです。

神経を抜いて差し歯にされている方は多いのではないかと思います。でも差し歯の状態では何も悪いことはありません。そこから何が起こっていくのでしょうか。

神経を抜いた後、抜歯になってしまう主な原因は3つほどあります。

①強い噛む力が何回もかかり、歯の根っこが折れる。

②細菌の感染により、歯の根っこの先に膿がたまる。

③差し歯の中が虫歯になってしまい根っこが腐ってしまう。

誰でも歯を失いたくないと思うと思います。その中で治療を繰り返して最終ステージ(ステージ4)の神経を抜いてある歯が多い方は特に注意が必要です。

よく歯医者さんで治療の際に「神経を抜きましょう」と言われ、あまり深く考えず神経を抜かれた方もおられるかと思います。しかし実はその処置は抜歯の一歩手前だとはなかなか思わないですよね。

虫歯の歯の状況にはよりますが、少なくとも危険な状態であるのは間違いないと思います。

そしてここがあまり皆さんに知られていないところですが、神経、神経とお話をしていますが歯の中には神経だけが通っているわけではありません。

歯の中には「神経」「血管」「リンパ管」と色々なものが張り巡らされています。

そうです。歯には血管などから栄養が供給されているのです。血が通っている生き物なんですね。

そして「神経」を抜く治療は、「神経」だけでなく「血管」や「リンパ管」も一緒に(言葉が過激ですが)引きちぎってしまうのです。「神経」だけを選択して抜くことはできません。

そのため「神経」抜いた歯には「血管」もなくなっており、もう歯に栄養はいきません。

歯が壊死した状態に近く(輪ゴムで指をきつく巻くと、血がいかなくなり紫色になるアレに近いです)なっています。

なので、神経を残すように治療することは、歯の寿命を延ばすためには非常に大切です。

特にズキズキ何もしなくても痛くなるような虫歯の症状が出てからでは、治療としては神経を取らざるを得ないことが多いです

なので、ズキズキする痛みが出る前に、神経を抜かない治療で終わらせるのが大切です。

痛くなくても知らず知らずのうちに虫歯が進行していることは多々あります。

痛くなるのは、虫歯が神経付近まで進行し近づいているからです。

虫歯の定期的なチェックと、早めの治療がとても大切です。早期発見早期治療!!なんでもそうですよね^^

当院ではできるだけ神経を抜かないように心がけておりますので、一緒に頑張っていきましょう!!