こんにちは。
上尾市の歯医者 とも歯科矯正歯科クリニック院長の中川です。
今回は前回のブログの続きをお話ししようと思います。
前回の記事はこちら→→→→
せっかく歯の治療をしても、元には戻っていないというお話をしました。
その解説をしていきたいと思います。
「歯の治療をしても治ってはいるけど、元にもどってはいません」
分かりづらいので、正確にお伝えします。
虫歯の治療というのは虫歯で悪くなったところを削って、人工物で置き換えているだけです。
みなさんも虫歯の治療を経験された方は、歯医者さんで「キーーーン」という音が出る機械で削られたことがあるかと思います。
そのあとに銀歯やセラミック、白い詰め物等で詰めて治療を終了となっています。
悪いところ(虫歯のところ)を取り除いて人工物に置き換えて終了して歯が治ったということです。
決して治療したからといって天然の歯が再生して治っているわけではないのです。
ここで歯の寿命の流れを一緒に見てみましょう。
上のイラストが歯の寿命の流れです。
一つずつ見ていきましょう。
⓵虫歯に何もなっていないキレイな歯の状態
歯が生えた状態のままでとてもキレイな状態です。
⓶歯の溝の部分(噛み合わせる面のみ)が小さな虫歯になってしまった状態
溝の小さな虫歯を削って、白い樹脂の詰め物をつめる処置をします。
⓷歯と歯の間まで進んだ、もしくは神経の近くまで進んだ比較的大きな虫歯の状態
歯と歯の間の虫歯の部分を比較的大きく削り、粘土で型取りして銀歯やセラミックを詰めます。
④歯の奥にある神経の方まで進んだ、かなり大きい虫歯の状態
歯の中を通っている神経や血管等を抜いて塞いだ後に、全周覆った大きな被せ物を被せます。
ここで質問です!⓷と④の間に歯にとって大きな違いがあります。それはなんでしょうか。
銀歯の詰め物の大きさ?それもありますが、実は見えない部分で大きな違いがあります。
正解は、歯の奥にある神経があるかどうかです。
大きな被せ物をしている銀歯やセラミックは、多くの場合歯の中を巡っている神経や血管を抜いた後に装着しています。
この歯の中を巡っている神経が残っているか残っていないかが、後々大きな違いになってきます。
神経を取ると、歯の寿命の最終ステージになってしまうのです。
なので神経をとると歯の寿命が短くなる、神経は大事!って言われているのですね。
それでは、虫歯になり治療→虫歯になり治療・・・を繰り返したこの先には何が待っているか考えたことはありますでしょうか。
勘ののいい方はお分かりかもしれませんが、多くの方は「虫歯になったところを治療してもらおう」と思っているだけの方が多いのであまり考えたことはないかもしれませんね。
もちろん虫歯の治療を受けるのは大切なことですが、その先がどうなっていくのかを知る事もとても大切です。
実は虫歯と治療を繰り返すと、最終的には歯を抜かないといけなくなります。
この「虫歯と治療の繰り返し」に耐えられず、歯が限界を迎えると歯を抜かないといけなくなります。
そのような歯が出てくるのが45歳頃のことが多いのです。
「悪くなったら治療を受ければ大丈夫!」だと思われている方は要注意ですね!
今回のまとめは、「虫歯と治療を繰り返すとそのうち治せない歯が多くなり、徐々に歯が失われてしまいます。それがだいたい45歳くらいになることが多く、それまでは歯を抜くなんて遠い先のことかと思っていても、徐々に近づいてしまう」ということでした。
それでは、具体的にどうなってしまうと歯を抜かないといけなくなってしまうのか。どこまでの治療ならば歯を抜かずに残せるのかをお話します。
この続きは次回のブログでお話します。次回をお楽しみに!