こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。
小児矯正は、子どもの成長に合わせて歯並びを整える治療です。小児矯正には2種類あり、それぞれ治療期間が異なります。また、予定通りに治療を完了させるためにはいくつか注意するポイントがあります。
この記事では、小児矯正の治療期間と、治療を予定通りに終わらせるための方法について解説します。また、子どものうちに歯列矯正をするメリットとデメリットも紹介するので、小児矯正を検討している人はぜひ参考にしてください。
目次
小児矯正は何歳から?
一般的に、子どもが小学1年生になる頃から小児矯正を開始することが推奨されています。この年齢になると、子どもたちも歯科医院での治療に慣れ、診察台での処置を受けやすくなるためです。
また、小学校入学時期は顎の成長が活発に行われる時期です。早期に矯正を開始して口内の環境を整えることで、将来的に矯正装置を使うことなく自然と歯が整う可能性も高くなるのです。
小児矯正には、1期治療と2期治療が存在します。
1期治療(5~11歳)
小児矯正は、子どもが5歳から11歳の間、特に混合歯列期と呼ばれる時期に行われることが多いです。
この時期は、乳歯から永久歯への生え変わりが進む時期です。顎の成長も盛んになるため、矯正治療を始める時期としてよいと言われています。
1期治療では、顎の成長を利用して顎や歯列を広げることが一般的です。床矯正装置などを用いて、将来永久歯が生えてくるスペースをしっかりと確保しきれいに歯を並べることが目的です。
早期に歯列矯正を受けることで、成人になってからの矯正治療の必要性が減る可能性があります。
2期治療(12歳~)
永久歯列期の小児矯正は、12歳以降に始まることが多いです。この時期には、全ての乳歯が永久歯に生え変わっているのが一般的です。
ブラケットとワイヤーを使うワイヤー矯正や、マウスピース矯正で直接的に歯を理想の位置へと移動させます。主な目的は、美しい歯並びと正しい噛み合わせを実現することです。
1期治療を受けていた場合、2期治療では歯の移動距離が短くなったり、治療期間が短縮されたりする可能性があります。
小児矯正の治療期間はどれくらい?
小児矯正には1期治療と2期治療があることを解説しましたが、それぞれかかる治療期間が異なります。
1期治療
1期治療の治療期間は、1年から3年程度とされています。1期治療が終了した後、永久歯がきれいに並んでいればそれ以上の治療は不要でしょう。
ただし、顔の成長や歯の生え変わりを観察し続ける必要があります。永久歯の並びが理想的でない場合には、調整として2期治療に進むことがあります。
2期治療
2期治療の治療期間は1年から2年程度とされています。2期治療は、1期治療後に永久歯が斜めに生えたり、理想の位置に生えなかった場合に行われます。
子どものうちに歯列矯正をするメリット
子どものうちに歯列矯正をするメリットは、以下のとおりです。
見た目のコンプレックスを解消できる
多感な年頃になると見た目に対する意識が高まり、特に歯並びが気になるようになるかもしれません。
早期に治療を開始すれば、目立たない矯正器具を選ぶことも可能でしょう。治療が完了する時期も早くなるので、心理的な負担を減らすことにもつながります。
子どもたちが自信を持って学校生活を送ることができるようになるかもしれません。
口呼吸が改善されやすい
歯列矯正は、正しい呼吸法や発音を身につける上でも非常に重要です。口呼吸をする子どもは多いですが、口呼吸は全体的な健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
歯列矯正を行うことで、口呼吸を改善し健康的な鼻呼吸に移行しやすくなります。
また、指しゃぶりや舌の癖なども、歯並びを乱す一因となります。小児矯正では、これらの習慣を正す指導も行われることが多いです。
虫歯や歯周病予防につながる
歯並びが悪いと、食べかすや汚れが溜まりやすいです。歯ブラシが届きにくい場所ができるため、口内の清潔が保てなくなることがあるのです。汚れが蓄積していけば、虫歯や歯周病といった口内トラブルのリスクが高まります。
小児矯正を行うことで、歯がきれいに並びブラッシングしやすい状態になります。口内を清潔に保ちやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが減少します。
噛み合わせを改善できる
歯列矯正は、噛み合わせも改善できます。前歯や奥歯をそれぞれ適切な位置に移動させることができるので、食べ物をしっかりと噛むことが可能になります。
特に、大人になってからでは顎の骨格を調整するのが難しいため、子どものうちに歯列矯正を行うことを勧められるかもしれません。早めに歯列矯正を行うことで、顎の骨を正しく成長させられる可能性が高まるのです。
2期治療での負担を減らせる
1期治療では顎の成長を活用します。この時期に矯正をする最大のメリットは、成人矯正に比べて歯が動く時の痛みが少ないことです。また、矯正装置を付ける期間も比較的短いため、子どもたちの負担が少なくなります。
さらに、1期治療を経て必要に応じて2期治療に進む場合、既にある程度歯の位置調整がされています。大きく歯を移動させる必要がなければ、2期治療の期間が短縮される可能性があります。
子どものうちに歯列矯正をするデメリット
子どものうちに歯列矯正をするメリットについて解説してきましたが、デメリットもいくつかあります。
一時的に見た目が悪くなることがある
使用する矯正装置の種類によっては、装置が目立ったり一時的に歯並びが悪く見えたりします。見た目を気にする子どももいるかもしれません。
しかし、対処法はあります。例えば、装置にカラーゴムを装着することで、自分のスタイルやファッションの一部として楽しむことが可能です。
治療途中での一時的な見た目の変化は避けられないですが、治療が進むにつれて改善されていきます。最終的には美しい歯並びと正しい噛み合わせが得られるため、一時的なものと考えて前向きに治療に臨むことが大切です。
子どもの協力が必要になる
子どもの歯列矯正治療では、自分で取り外し可能な装置がよく使用されます。そのため、子ども自身の協力が非常に重要で、治療に積極的でない場合は十分な結果が得られなくなることがあります。
治療の成功には、歯科医師や歯科衛生士だけでなく、家族のサポートも非常に重要です。家族が一丸となって子どもを励ますことで、治療へのモチベーションを高めましょう。
治療期間が長くなることがある
1期治療は、2期治療よりも治療期間が長くなることがあります。特に、下顎の骨は一般的には15歳前後まで成長が続くため、成長の仕方によって治療期間が変わってきます。
受け口の傾向がある子どもの場合は、特に治療期間が長くなる傾向にあります。
歯磨きを怠ると虫歯になりやすい
固定式の矯正装置を使用している場合、歯のケアが非常に重要になります。装置があると食べかすやプラークが溜まりやすくなるため、虫歯のリスクを減少させるためには適切な歯磨きが大切なのです。
2期治療が必要になることがある
1期治療では、子どもの顎の成長を利用して歯が並ぶためのスペースを作ります。選択する装置にもよりますが、歯を直接移動させて歯並びを整えることは少ないです。
土台を整えるだけなので、細かな歯のねじれや微調整が完全には行えないことがあります。そのため、2期治療が必要になるケースも少なくありません。2期治療では、より細かい位置調整を行い、理想的な歯並びを目指します。
また、小児矯正を受けたにもかかわらず、成長の途中で予期せぬ骨格の変化が起こることがあります。その結果として、成人になってから再度矯正治療が必要になる場合もあるでしょう。
特に、受け口の場合は成長が完了した後に外科的な矯正が必要になることもあるのです。
小児矯正を予定通りに終わらせるためのポイント
小児矯正の治療期間は1年から3年程度ですが、適切に管理していないと治療期間が延びることがあります。以下に、小児矯正を予定通りに終わらせるためのポイントについて解説します。
矯正器具を正しく装着する
取り外し可能なマウスピース矯正は非常に便利ですが、1日20~22時間以上装着しなければなりません。装着時間が不足すると、歯の移動が計画通りに進まず治療期間が延びる可能性があります。
ワイヤー矯正の場合でも、装置の脱落やワイヤーの破損があると歯の移動が適切に行われません。放置すると治療期間が長くなることがあるため、問題が発生した際はすぐに対処することが重要です。
口腔ケアをしっかり行う
小児矯正中に虫歯や歯周病になってしまうと、それらの治療が優先されるので治療期間が延びることがあります。そのため、矯正治療中は日々のお手入れが非常に重要です。
普通の歯ブラシでのブラッシングだけでは、約60%の汚れしか取り除くことができません。フロスや歯間ブラシなどの補助用具を活用しましょう。
歯ブラシだけでは届きにくい部分のプラークや食べかすを効果的に除去し、虫歯や歯周病のリスクを大きく減少させます。
定期的に通院する
小児矯正中は、定期的に歯科医院を受診しましょう。特に、マウスピース矯正を利用している場合、磨き残しがあると虫歯や歯周病のリスクが高まります。定期的に歯科医院でクリーニングを受けることにより、これらのリスクを減らせるでしょう。
小児矯正を予定通りに終わらせるためには、トラブルを回避することが非常に重要です。
保定装置を装着する
小児矯正のメインの治療が完了した後、歯の位置を維持するための保定期間が始まります。専用の保定装置を使用し、治療で得られた美しい歯並びを保持することが目的です。
治療結果に満足して油断する人もいますが、保定装置を着用しなければ歯は徐々に元の位置に戻ろうとします。再び矯正治療が必要になるなど、お子さまの負担が増えるでしょう。
保定期間は、矯正治療の成功を長持ちさせるために欠かせません。歯科医師の指示に従って、保定装置を正しく使用することが大切です。
まとめ
小児矯正には、顎の成長を利用した1期治療と、歯を直接的に移動させる2期治療があります。
1期治療では顎の拡大やバランス調整を行い、治療期間は1年から3年程度とされています。2期治療では、永久歯が揃った後に歯を移動させて歯並びを整えます。治療期間は1年から2年程度です。
小児矯正を予定通りに終わらせるためには、歯科医師の指示にしたがって適切に矯正装置を装着することが重要です。また、余計な治療を避けるために、虫歯や歯周病にも気を付ける必要があります。
歯の清潔を保ち、トラブルへ早期に対処できるよう、指定されたスケジュールで通院することも大切です。
小児矯正を検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。