こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。
小児矯正は、すべての歯が乳歯から永久歯へ生え変わる前の子どもに行う矯正治療です。成人矯正とは異なり、早期にアプローチすることで顎の骨の成長を利用しながら将来永久歯が並ぶスペースを確保します。歯並びが乱れる原因となる癖の改善も、小児矯正の目的です。
小児矯正をスムーズに進めるためには、矯正中のトラブルを事前に想定してあらかじめ予防しておくことが大切です。
今回は、小児矯正中の食事によるトラブルについて解説します。食事内容で気をつけるべきポイントや、食後の口腔ケアのポイントなどもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
小児矯正中の食事で起こりやすいトラブル
小児矯正で使用する装置は、マウスピースや拡大床など取り外し可能なものが多いですが、固定式のワイヤータイプや急速拡大装置などもあります。こうした装置の場合、食事の際も装着したままなので、以下のようなトラブルが発生してしまうことがあります。
矯正装置が破損する
口に入れた食べ物によって装置が破損してしまうことがあります。例えば、硬い大きな肉やナッツなどを噛みくだいた衝撃で、装置が外れたり破損したりする可能性があります。
硬い大きな物を口にする時は、小さくカットしたり、可能であれば柔らかくしたりして食べましょう。
装置に付着しやすい粘着性のある食べ物も、矯正装置の破損につながりやすいです。子どもが好きなキャラメルやガム、ソフトキャンディは装置に残りやすく、虫歯になりやすいという理由からも矯正治療中は避けたほうがよいでしょう。
甘い物を食べたい時は、飴などの矯正装置につきにくいものを選択してください。
矯正装置に食べ物が引っかかる
細かい箇所のある矯正装置をきれいに掃除するのは非常に大変です。そのため、矯正装置に引っかかりやすい食べ物はできるだけ避けたほうがよいでしょう。肉や魚の繊維、トウモロコシやエノキダケなどがあげられます。
引っかかりやすいものすべてを排除するのは難しいかもしれません。気をつけて与える、食後はしっかりとケアをするなど、矯正装置に食べ物が引っかかったままにならないよう工夫してください。
矯正装置が着色する
ワイヤー矯正の中には、白や透明などの目につきにくいものもあります。
しかし、そうした矯正装置を装着してカレーやミートソースなど、着色しやすい食べ物を口にすると色素が残ることがあります。矯正装置だけではなく、顎間ゴムなどの補助ツールも着色しやすいです。
口内炎ができる
矯正装置が口の内側や舌に触れることによって、口内炎ができてしまうことがあります。口内炎は、何もしない場合でも1週間もたてば治ります。
しかし、治るまでは痛みがあるので食事しにくくなるでしょう。ビタミンB群を摂取するように心がけると、予防できるかもしれません。具体的には、豚や牛のレバー、はちみつ、たまご、納豆、チーズ、のりなどが挙げられます。
歯が動く痛みで食事がしにくい
矯正装置によって力をかけることで歯を動かしていますが、特に矯正装置を装着したばかりの時は痛みや違和感があるため食事がしにくいでしょう。しばらくすれば痛みは落ち着いてくるので、それまでは柔らかめの食事で強く噛まなくてよいようにしましょう。
噛まずに食べ物を飲むようになる
矯正装置を装着したばかりの時は違和感があるため、食べ物を噛まずに飲みこんでしまうこともあります。矯正装置に食べ物は引っかかりやすくなり、身体にもよくありません。
矯正装置を開始したばかりの時は、噛みやすい食事内容にしてよく噛むように本人にも伝えましょう。
小児矯正中に適した食べ物とは?
成長期の子どもの食事内容は、健康的な身体をつくるために気を配っている方が多いでしょう。矯正治療に発生しや水トラブルを避けながらも、栄養が偏らないように配慮する必要があります。
矯正装置を装着したばかりの数日間は痛みを感じやすく、違和感もあります。以下のような負担をかけない食べ物を選択すると良いでしょう。
柔らかくできる食べ物
お粥や麺類などは、矯正中に食べられることが多いです。効率よくエネルギーを摂取できて、硬さも調整できるので、痛みの状態に合わせると良いでしょう。こしのない柔らかく煮込んだ麺類なら、装置の装着直後でも負担になりにくいです。
汁物
スープや味噌汁など、液体も食べやすいです。野菜などの具材も、ミキサーにかけて液状にすれば、歯に負担をかけずに栄養を摂取できます。
ヨーグルトやゼリー
矯正装置を装着した直後のおやつには、ヨーグルトやゼリーなどが良いでしょう。中にフルーツなどの固形物が入っていないものを選んでください。
半熟卵やスクランブルエッグ
柔らかい食事の場合、タンパク質を摂取するのが難しくなります。半熟卵やスクランブルエッグなら、噛みくだく必要がないでしょう。
硬くないので、矯正治療中に痛みがあっても食べられる可能性が高いです。
野菜スムージーや野菜ジュース
小児矯正中に痛みがある場合、固形物の野菜を食べるのは難しいでしょう。野菜スムージーや野菜ジュースで補って、栄養バランスにも配慮してください。
小児矯正中に注意すべき食べ物とは?
子どもの食事内容は、小児矯正中ではなくても、健康な口腔環境を維持するという観点が重要といえます。乳歯は永久歯よりも歯質が弱くエナメル質が薄いため、虫歯になりやすいです。
虫歯が進行すると、歯を失うことにも繋がりかねません。特に、固定式の矯正装置を装着していると磨き残しが多くなりやすいので、以下の点に気をつけてください。
粘着性のあるものは避ける
矯正装置にくっつきやすく剥がしにくい、装置を破損させる原因にもなる粘着性あるものは避けましょう。具体的には、ガムやキャラメル、ソフトキャンディなどは避けたほうが良いと言えます。
歯や矯正装置に残りやすいものに注意する
肉・魚の繊維やポップコーン、せんべいなど、歯と歯の間に挟まりやすいものや、口の中に残りやすいものは避けましょう。虫歯の原因になりやすいので、食べた場合は早めに歯磨きをして汚れを落としてください。
硬い食べ物は控える
硬い食べ物を思いきり噛みくだくと、矯正装置が外れたり壊れたりすることがあります。また、矯正装置を装着したばかりの頃に、大きな力を歯にかけた時は痛みを感じやすいです。
そのため、特に治療開始直後は硬い物を食べるのは控えるようにしましょう。
着色しやすい食べ物を控える
装着している矯正装置の種類にもよりますが、着色しやすい食べ物も控えたほうがよいでしょう。特に着色しない矯正装置なら問題ありませんが、白や透明の装置の場合、食べ物の着色汚れがつくのは避けたいと思う方が多いです。
カレーやトマトソース、コーヒーや紅茶などは控えるか、口にした後は早めに歯磨きをするようにしましょう。
食後はしっかり口腔ケアをしよう!
固定式の装置で矯正治療を行っている場合は、食事内容に気をつけていても磨き残しが生じやすくなります。お子さん自身にも矯正治療や口腔ケアの大切さを丁寧に説明して、意識を高めてもらうことが大切です。
「きれいな歯になると笑顔が素敵になるよ」「歯磨きを頑張っていてえらいね」とポジティブな声かけを心がけましょう。自宅でのセルフケアだけでは磨き残しを完全になくすのは難しいので、歯科医院で定期的にクリーニングを受けて、歯垢や歯石を除去してもらいましょう。
矯正治療中の口腔ケアの際は、通常の歯ブラシの他に以下のようなグッズを使って磨き残しをなくしましょう。
タフトブラシ
毛束が1つだけの小さな歯ブラシです。歯と歯の間や矯正装置の隙間、歯と歯茎の間など、細かい箇所を磨く際に使用します。自分で磨くのが難しいお子さまの場合、保護者の方がタフトブラシで仕上げ磨きをしてあげてください。
歯間ブラシやデンタルフロス
歯と歯の間は食べかすが残りやすいので、歯間ブラシやデンタルフロスを使いましょう。お子さまにあうものが分からない場合は、歯科医院でアドバイスしてもらえるので相談してみてください。
フッ素入りの歯磨き粉
歯科医院で塗布するフッ素のような濃度のものはありませんが、市販の歯磨き粉でもフッ素が配合されたものがあります。日ごろから使って虫歯を予防しましょう。
まとめ
固定式の矯正装置の場合は虫歯のリスクが高まりますが、歯並びを整うことで歯磨きがしやすくなるでしょう。歯並びが整えばお口の健康を維持しやすくなります。また、矯正治療によって噛み合わせもよくなるので、しっかり噛めて発音もよくなります。
矯正治療中の食事への配慮や口腔ケアは大変ではありますが、しっかり意識して理想の歯並びを目指しましょう。
小児矯正を検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。