こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。
こどもの歯並びが悪い状態で放置していると、虫歯や歯周病になりやすく早期に歯を失うかもしれません。こどもの歯列矯正として注目されているのが、インビザライン・ファーストです。
大人のインビザラインと同様に透明なマウスピースを使用するため、装置が目立ちません。乳歯から永久歯に生え変わる年齢に治療を始めることで、顎のバランスと歯並びを同時に整えられることがメリットです。
今回は、インビザライン・ファーストの対象年齢や治療期間、小児期に治療するメリットを解説します。小児矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
インビザライン・ファーストとは?
インビザライン・ファーストとは、乳歯から永久歯に生え変わる年齢に行うこども向けのマウスピース矯正のことです。
大人のインビザラインと同様に、マウスピースを1日20~22時間装着し、1~2週間ごとに新しいものに交換して治療を進めます。インビザライン・ファーストで使用するマウスピースは透明なので、矯正治療中でも口元が目立ちません。
マウスピースは取り外しできるので、虫歯や歯周病になるリスクが低いこともメリットです。大人のインビザラインとインビザライン・ファーストの違いは、対象年齢と治療内容でしょう。
大人のインビザラインは歯並びしか整えられませんが、インビザライン・ファーストは、顎のバランスと歯並びを同時に整えられます。
インビザライン・ファーストの対象年齢
インビザライン・ファーストの対象年齢は、乳歯から永久歯に生え変わる6~12歳頃です。顎の骨が成長途中である年齢にインビザライン・ファーストの治療を始めることで、永久歯を並べる土台となる顎の成長をコントロールできます。
ただし、対象年齢はあくまでも目安です。身体年齢よりも、口腔内の状況を考慮して治療の可否を決定します。年齢とは別に、以下の条件を満たす必要があります。
- 第一大臼歯(前から6番目の歯)が萌出している
- 切歯(前歯)のうち少なくとも2歯が2/3以上萌出している
- 少なくとも3/4顎に乳歯、または未萌出の永久歯が2歯以上ある
一般的には乳歯から永久歯に生え変わる6歳以降に治療を始めますが、生え変わりの時期はお子さまによって異なるため、治療開始時期にも個人差があるでしょう。
また、上記の条件を満たしている場合でも、以下のケースは治療できないことがあります。
- 歯並びの乱れが重度である
- 生まれつき歯が少ない(先天性欠損)
- 顎の成長に問題がある
歯並びの乱れが重度の場合、インビザライン・ファーストでは治療が難しいことがあります。マウスピースを使用して徐々に歯を動かす治療なので、大きく歯を移動させる症例には適していないためです。
生まれつき歯が少ない場合や顎の成長に問題がある場合も、インビザライン・ファーストだけでは治療が難しいといわれています。
インビザライン・ファーストの治療期間
インビザライン・ファーストの治療期間は、最大18か月です。治療後は、顎や歯並びを安定させるためにリテーナーを装着し、後戻りを防ぎながら永久歯が生え揃うのを待ちます。
永久歯が生え揃ったあとは、2期治療が必要かどうかを判断するでしょう。必要に応じて治療を開始します。
インビザライン・ファーストは従来の小児矯正とは異なり、顎の成長をコントロールしながら歯並びも整えられるため、1期治療だけで終わることもあるでしょう。
ただし、インビザライン・ファーストの治療期間は、顎の成長や永久歯に生え変わるタイミングに左右されます。マウスピースの装着時間や交換時期の影響も受けるため、マウスピースの管理ができていなければ治療が長引くでしょう。
インビザライン・ファーストの治療をうまく進めるためには、歯科医師の指示を必ず守り、お子さまと保護者の方が協力して治療に取り組むことが大切です。
こどもの悪い歯並びを放置するリスク
こどもの悪い歯並びには、八重歯を含む叢生(ガタガタした歯並び)や出っ歯、受け口などがあります。
乳歯はいつか生え変わるからと放置していると、以下のリスクがあるでしょう。
虫歯や歯周病になるリスクが高まる
こどもの悪い歯並びを放置すると、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
特に、ガタガタした歯並びの叢生は、歯と歯が重なって生えているので磨き残しが多くなります。整った歯並びのこどもよりも虫歯や歯周病になるリスクが高くなるでしょう。
乳歯の虫歯が悪化して根の先まで虫歯菌に侵されると、乳歯の下にある永久歯にも影響を及ぼします。
「まだ乳歯しか生えていないから」「乳歯が虫歯になっても抜けるから」と放置していると、永久歯の歯並びにも悪影響を及ぼす可能性があるのです。適切な年齢でインビザライン・ファーストの治療を始めることで、虫歯や歯周病のリスクを抑えられるでしょう。
しっかり噛めない
歯並びが悪い場合、見た目だけでなく全体的な噛み合わせも悪いことが多いです。噛み合わせが悪いと、噛みにくい部分が生じる可能性や、一部の歯に負担が集中する可能性があります。
特に、出っ歯の場合は上下の前歯がうまく噛み合いません。食べ物を噛み切ることができず、胃腸に負担をかけることもあるのです。十分に咀嚼できないことで、顎の成長が促されないなどの悪影響を及ぼすことも考えられます。
見た目にコンプレックスを持つ
歯並びが悪いと見た目にコンプレックスを抱え、お子さまの精神的なストレスにつながることがあります。特に、出っ歯や受け口、すきっ歯などは、大きな口を開けて笑えなくなる、口元を手で隠すようになる、人前で話すことを嫌がるなど、コミュニケーションに支障をきたすこともあるでしょう。
お子さまの心身の成長に重要な幼少期や思春期に、歯並びが原因でストレスやコンプレックスを抱えると、自己肯定感や積極性の低下などにつながります。
滑舌が悪くなる
悪い歯並びは、噛み合わせだけでなく滑舌にも影響を及ぼすことがあります。すきっ歯や受け口などの場合、空気が漏れやすいことからサ行やタ行などが発音しにくいと感じるこどもが多いです。
顎関節症や全身の不調につながる
悪い歯並びを放置すると、顎関節に負担がかかって顎関節症を引き起こすことがあります。
顎関節症になると、口の開閉時に異音が鳴る、痛みを感じるなどの症状が現れます。悪化すると顎の変形にもつながるため注意が必要です。
また、顎関節は頭や首、肩の筋肉とつながっているため、肩こりや頭痛、めまいなど、全身の不調につながることもあるでしょう。歯並びや噛み合わせの悪さを放置すると全身の不調につながるため、こどもだからと放置せず矯正治療を受けたほうがよいといえます。
こどものうちに歯並びを治療するメリット
こどものうちに歯並びを治療するメリットは、以下のとおりです。
生涯の虫歯・歯周病のリスクを下げられる
歯並びが悪いと磨き残しが生じやすいため、虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。整った歯並びの人と比べると、歯の寿命が短くなりやすいでしょう。
こどものうちにインビザライン・ファーストで歯並びを整えれば、生涯の虫歯・歯周病のリスクを下げ、お口の健康を守ることにつながります。
顎のバランスが整う
こどもの歯並びが悪くなる原因の多くは、顎が小さく歯を並べるスペースが足りないことです。インビザライン・ファーストの治療を受けることで、顎の骨を広げて歯を並べるスペースを作れます。
顎の成長をコントロールしながら歯並びを整えられるので、将来的に歯並びが大きく乱れるリスクも低減できるでしょう。
2期治療の期間を短縮できる
一般的な小児矯正には2つの治療があり、それぞれ対象年齢や目的が異なります。
- 1期治療(顎の成長をコントロールする):6~12歳
- 2期治療(永久歯の歯並びを整える):13歳以降
こどものうちに矯正治療を受けなくても、2期治療だけで歯並びを整えることは可能です。
しかし、1期治療を受けることで、永久歯を並べる土台を整えられます。大きな歯の移動が必要なくなるので、2期治療にかかる期間を短縮できるでしょう。
永久歯を抜かずに矯正できる可能性が高まる
大人になってからも矯正治療を受けることは可能ですが、歯を並べるスペースが足りない場合、健康な歯を削る・抜くなどの処置が必要になることがあります。
インビザライン・ファーストを受けて顎の骨の成長を促せていれば、歯を並べるスペースが足りなくなる可能性が下がります。2期治療を行う場合でも、永久歯の抜歯を避けられる可能性が高いでしょう。
まとめ
インビザライン・ファーストの対象年齢は、乳歯から永久歯に生え変わる6~12歳頃といわれています。
こどものうちに歯並びを整えることで、生涯の虫歯・歯周病のリスクを下げられる、将来的に永久歯を抜かずに矯正治療できるなどのメリットがあります。特に、インビザライン・ファーストは顎の骨の成長を促しながら歯並びを整えられるため、将来的に歯並びが大きく乱れるリスクを下げられるでしょう。
インビザライン・ファーストを検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。