こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。
「こどもにはできる限り痛みの少ない矯正方法で治療してあげたい」「床矯正で痛みが出たときはどうしたらいいの?」など、小さなお子さまの歯列に悩みを抱える保護者の方は、治療時の痛みが気になるのではないでしょうか。
今回は、小児矯正の一つである床矯正について解説します。痛みが出やすいタイミングや、痛みが出たときの対処法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
床矯正とは
床矯正とは、主に小児矯正で行われる治療方法です。床矯正は、歯列を拡大して歯を並べるためのスペースを作ることを目的に行われます。
装置を使って歯列を側方に広げることで、歯列を拡大するのです。抜歯をしなくてもきれいに歯を並べられる可能性が高まるでしょう。歯を並べるためのスペースが十分に確保されれば、後戻りするリスクも低減できます。
床矯正は顎の発育を利用することで効率的に歯列を拡大する治療です。そのため、成長期のこどもを対象とした治療であり、6〜11歳ごろまでに治療を開始することが望ましいとされています。
床矯正の治療期間
床矯正の治療期間は、歯並びの状態などによって異なりますが、1〜3年程度です。1日の装置の装着時間は、12〜14時間程度を推奨する歯科医院が多く、1日の装着時間が短いと治療期間が延びる可能性があります。
床矯正が必要となる可能性が高い症例
歯並びに悩みがあるすべてのお子さまが、床矯正をするわけではありません。床矯正が必要だと判断される可能性が高い症例は、以下のとおりです。
- 叢生(ガタガタした歯並び)
- 出っ歯
- 受け口
- 将来的に永久歯が生えるスペースが不足しそうな歯並び
すきっ歯など、歯並びの乱れの原因が歯を並べるためのスペース不足ではない場合は、床矯正は行いません。歯列を広げてスペースを確保する必要がないためです。
歯のサイズに対して顎のサイズが大きい場合などは、ほかの方法で治療する可能性が高いでしょう。
床矯正で使用する装置
床矯正で使う装置は、レジンでできた床(プレート)とワイヤー、ネジから構成されます。
プレート部分を上顎、もしくは下顎に装着し、ワイヤーを歯にかけて使用します。プレート部分についているネジを定期的に回転させることで、少しずつ歯列を拡大する効果が期待できるでしょう。
お子さまの矯正治療を検討する際に気になるのは、痛みがあるかどうかでしょう。痛みがあると、歯科医院を受診することを拒否するお子さまや、治療を続けられなくなるお子さまが多いです。痛みについては後述するので、参考にしてください。
床矯正のメリット
床矯正のメリットは、以下のとおりです。
抜歯不要で歯列を整えられる可能性がある
歯列が乱れる大きな原因は、永久歯が生えるスペースが足りないことです。一般的にスペースを確保するためには、歯列の拡大、もしくは抜歯が選択されます。
床矯正で歯列を拡大してスペースを確保できれば、ワイヤー矯正やマウスピース矯正をしたときに抜歯が不要となる可能性があるでしょう。
装置を取り外せる
床矯正は装置をご自身で取り外すことができます。ふだんどおりに食事ができ、装置が邪魔して歯磨きしづらいなどのトラブルも起こりません。
口腔内を清潔に保ちやすいので、虫歯や歯周病のリスクも下げられるでしょう。
痛みを感じにくい
床矯正は、一般的な矯正治療よりも痛みを抑えられるとされています。一気に力をかけずに、徐々に歯列を拡大するためです。
ワイヤー矯正よりも費用を抑えられる
床矯正は、ご自身でネジを回して調整しながら歯列を拡大します。抜歯を行わないため、治療費を抑えられるでしょう。
基本的に、装置代のみで治療できる場合が多いです。
床矯正は痛みがある?
床矯正は痛みが出にくい矯正方法だといわれています。
しかし、まったく痛みがないとはいえません。痛みの感じ方には個人差があるので、痛くないというお子さまもいれば、違和感があるというお子さまもいます。
また、床矯正で強い力をかけることはありませんが、歯列に負荷を加えることは事実です。そのため、痛みを感じるお子さまもいるでしょう。
寝られないほど痛むことや、痛み止めが効かないほど痛むことは基本的にはありません。
床矯正で痛みが出る3つのタイミング
床矯正で痛みが出るタイミングは、以下のとおりです。
- 装置をつけたとき
- ネジを回した直後
- 粘膜に装置が触れたとき
装置を初めてつけたときは痛みを感じやすいでしょう。今まで何もなかった口腔内に人工物が入るので、違和感を覚えるこどもが非常に多いです。装着を続けると慣れますが、最初は痛いと感じるかもしれません。
装置を適切に装着できていない場合や、長期間装置を使用しないで過ごしていた場合、歯の生え変わりがあった場合なども、装置の装着時に痛みが出ることがあるでしょう。
ネジを回した直後は、実際の歯列に比べて装置のほうが広くなっています。歯が押されるような感覚を覚えることがあるでしょう。
装置で歯列を拡大するときの痛み以外にも、プレートが粘膜に触れることで痛みを感じることがあります。
基本的に口腔内を傷つけることはありませんが、装置に何らかの不具合が生じており、粘膜が傷つくことがあります。粘膜が傷ついたときは痛みを感じるでしょう。無理に使用を続けることは避け、歯科医師に相談して指示に従ってください。
床矯正で痛みが出たときの対処法
床矯正で痛みが出たときの対処法は、以下のとおりです。
ネジを回した直後の痛みは様子を見る
ネジを回すと一時的に痛みが出ることがありますが、しばらく使用を続けると徐々に痛みが和らぐ場合が多いです。ネジを回した直後の痛みは、しばらく様子を見ましょう。
次第に痛みが落ち着くのであれば、特に装置に問題があるわけではありません。そのまま使用を続けて問題ないでしょう。
装置を歯科医院で削ってもらう
装置が口腔内の粘膜に触れることで痛む場合は、装置を削るなどして対応できることがあります。無理に使用を続けると口内炎ができるなど、装着時の痛みが増すこともあるでしょう。
なるべく早く歯科医院に相談し、装置を調整してもらってください。
装置の付け方を見直す、または作り直す
お子さまがご自身で装置の着脱をする場合は、正しく装着できていないことで痛みが出ることがあります。装置がしっかりとはまっておらず、浮いた状態になっているケースも多いため、保護者の方がしっかりと装着できているかをチェックしてあげましょう。
長期間装置の装着を中断していた場合などは、装置がうまく入らなくなることがあります。無理に装着せず、歯科医院に相談してください。装置を調整する、作り直すなどして対応します。
痛みが続く場合は歯科医師に相談する
「しばらく様子を見ても痛がっている」「我慢できないほどの痛みがある」など、日常生活に支障をきたすような場合は、歯科医院に連絡して使用を中断しましょう。痛みが出ているのに我慢して装着を続けると、お子さまにとって大きなストレスとなります。
痛みがトラウマとなって治療に取り組めなくなることもあるので、無理に装着させる必要はありません。歯科医師に相談して、ほかの治療法を検討してもよいでしょう。
まとめ
床矯正は痛みを感じにくい治療方法です。
しかし、装置をつけたときやネジを回した直後、口腔内の粘膜に装置が触れたときなどのタイミングで痛みが出る場合があります。床矯正で痛みが出たときは、装置を歯科医院で調整してもらう、装置の付け方を見直すなどして対処しましょう。
痛みが改善されない場合は、装置の作り直しが必要になるかもしれません。痛みが続く場合や、日常生活に支障をきたすほど痛がる場合は、歯科医院を受診してください。
床矯正を検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。