こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。
インビザライン・ファーストとは、乳歯から永久歯に生え変わる混合歯列期に行うマウスピース矯正です。歯列だけでなく、顎の成長もコントロールできることが最大の特徴といえるでしょう。
今回は、インビザライン・ファーストの治療のメリットやプロセスについて詳しく解説します。
目次
こどもの歯並びが悪いことによる悪影響
こどもの歯並びが悪いと、見た目だけでなく、虫歯や歯周病などのリスクがあります。口腔疾患から全身の不調につながることもあるでしょう。
歯並びが悪いことによる悪影響は、以下のとおりです。
虫歯や歯周病になる
歯並びが悪いまま放置すると、虫歯や歯周病のリスクが増加します。特に、歯が重なる叢生などでは、磨き残しが生じるでしょう。
こどもの頃から虫歯や歯周病になると、歯の寿命が縮む恐れがあり、将来的に歯を失うリスクや入れ歯の必要性が高まります。
発音に支障が出る
歯並びの悪さは、発音に影響することがあります。歯間にすき間があると空気が漏れ、特にイ段の音が濁ることが多いです。
受け口の場合は舌の位置が正常でなくなり、サ行やタ行の発音が不明瞭になることがあります。
顎関節症になる
虫歯や歯周病以外に、顎関節症のリスクも高まります。
顎関節症は、顎を動かす際に音がする、あるいは痛みを伴う病気です。
歯の噛み合わせと顎関節は密接に関係しています。噛み合わせがずれていると、顎関節や筋肉への負担が増え、症状を引き起こしやすくなるのです。最悪の場合、顎関節の関節円板がずれ、口が開かなくなることもあります。早期に対処することが大切です。
慢性的な頭痛や肩こりを発症する
歯並びの悪さは口腔内の問題だけでなく、全身にも影響を与えます。
歯の噛み合わせが悪い場合、咀嚼時に顎関節に過度な負荷がかかり、首の筋肉の緊張や凝りを引き起こします。緊張や凝りは、肩こりや頭痛の原因となり、慢性的な症状として現れることがあるのです。学業やスポーツのパフォーマンスが低下し、日常生活に影響を与えることもあるでしょう。
見た目に自信が持てなくなる
歯並びが悪いと、精神に悪影響を与えることもあります。
歯並びの悪さから自分の外見に自信を持てず、笑うときに口を手で隠すこどもも少なくありません。精神的ストレスを幼少期や思春期に経験すると、自己表現が難しくなったり消極的な性格になったりする場合があります。
インビザライン・ファーストとは?
インビザライン・ファーストとは、こどもの混合歯列期に特化したマウスピース矯正です。矯正装置は透明なので目立ちません。こどもが日常生活を送るうえで、矯正治療をしていることを気づかれにくいことが魅力です。
マウスピースはオーダーメイドで作成され、1~2週間ごとに新しいものに交換しながら歯並びを整えます。食事や歯磨きの時間を除いて、1日のほとんどの時間マウスピースを装着しなければいけません。
しかし、取り外しが可能なため、食事や歯磨きに支障をきたすことはないでしょう。
インビザライン・ファーストの最大の特徴として、顎の幅を広げる治療と歯を動かしてきれいに整える治療を同時に行える点が挙げられます。従来の矯正治療より効率的に歯並びを整えられるのです。
インビザライン・ファーストのメリット・デメリット
インビザライン・ファーストの主なメリットとして、歯列と顎の矯正が同時にできる点が挙げられます。デメリットは、適応症例が限られることです。インビザライン・ファーストのメリット・デメリットを詳しく解説します。
インビザライン・ファーストのメリット
インビザライン・ファーストのメリットは、以下のとおりです。
歯列の矯正と顎の拡大が同時にできる
インビザライン・ファーストには、きれいな歯並びを目指すだけでなく、顎の成長や発育をサポートする役割もあります。特に、こどもの成長期においては、まだ生えてきていない永久歯のためのスペースを適切に確保することが重要です。
インビザライン・ファーストで矯正することによって、永久歯が正しい位置に生える土台を整えることができるのです。
矯正装置が目立たない
インビザライン・ファーストで使用するマウスピースは透明であり、装着していても目立ちません。矯正治療を受けていることに気づかれる心配はないため、こどもの心の負担を大きく軽減することができます。
取り外せる
インビザライン・ファーストは、取り外すことが可能です。食事や歯磨きをいつもどおりに行うことができ、矯正治療中に増える虫歯のリスクを低減できます。
食事の際は外すので、マウスピースに食べ物が付着することはありません。食べ物の制限が特になく、好きなものを気兼ねなく楽しむことができます。
ただし、マウスピースを装着しているときに、水以外の飲み物を摂取することは避けなければなりません。虫歯やマウスピースの着色汚れの原因となる可能性があるからです。
遊びやスポーツに制限がない
マウスピースは薄く滑らかなので、装着時の違和感が非常に少ないです。クラブ活動やスポーツ、楽器の演奏などの際にもストレスを感じにくいでしょう。
従来のワイヤー矯正では金属製のワイヤーやブラケットで口内を怪我することがありましたが、インビザライン・ファーストは安全性が高いです。
通院回数が少ない
インビザライン・ファーストでは、1~2週間ごとに新しいマウスピースに取り替えて治療を進めます。マウスピースの取り替えは、自宅で行うのが一般的です。
治療の進行を確認するための通院は、2~3か月に1回と比較的少ない頻度でよいため、忙しい方や遠方に住んでいる方も無理なく通えます。
インビザライン・ファーストのデメリット
インビザライン・ファーストのデメリットは、以下のとおりです。
こどもの協力が必要になる
インビザライン・ファーストは取り外せることがメリットですが、デメリットにもなり得ます。
インビザラインの効果を最大限に得るには、1日20~22時間マウスピースを装着しなければなりません。装着時間を守らないと、期待する矯正効果が得られない可能性があるのです。そのため、こどもに歯科矯正の目的を理解してもらい、装着時間を守るよう促す必要があります。
長時間マウスピースを外したままにしないよう、こどもの協力が必要です。
適応症例が限られている
インビザライン・ファーストは、すべての症例に適しているわけではありません。重度の歯のずれや顎の成長の問題など、複雑な矯正が必要なケースでは、インビザライン・ファーストだけでは十分な治療効果を得ることが難しいでしょう。
乱れが重度、または治療が複雑な症例では、ほかの治療法を選択することがあります。従来の小児矯正装置は強力な矯正力を持っており、幅広い症例に対応することが可能です。
こどもの矯正治療を検討している方は、まず歯科医師と相談し、最も適切な治療方法を選択することが大切です。
インビザライン・ファーストの対象年齢
こどもの歯の成長は、個人差があります。6歳頃から永久歯が生え始め、すべての永久歯が生え揃うのは12歳頃が一般的です。
乳歯と永久歯が同時に口の中に存在する時期を「混合歯列期」といいます。矯正治療の最適な開始時期は、6歳臼歯とよばれる大臼歯や前歯が2/3程度生えてきている状態がよいでしょう。
インビザライン・ファーストの治療プロセス
インビザライン・ファーストの治療の流れは、以下のとおりです。
カウンセリング
カウンセリングでは、シミュレーションツールを活用して、こどもの歯並びが治療を通してどのように変化するかを視覚化します。
治療後の歯の位置や形状、全体のバランスを事前に確認することが可能です。治療に関する不安や疑問、希望する歯列の状態などがあれば、治療を開始する前に歯科医師に相談しましょう。
精密検査
インビザライン・ファーストを希望する場合、まずは精密検査を行います。治療の計画や方針を立てるための非常に重要なステップです。
具体的には、口の中の健康状態を確認するために口腔内検査を実施します。歯の位置や骨の状態を詳しく確認するために、レントゲン撮影を行うこともあるでしょう。治療前の顔や口の中の状態を記録するために写真を撮影し、矯正装置を作成するために歯の型取りも実施します。
複数の検査を通して、最適な治療のプランが立てられるのです。
治療開始
マウスピースが完成したら、歯科医師が実際にマウスピースをこどもに装着して、歯にしっかりとフィットするかを確認します。正確なフィット感は、矯正治療の効果や快適さに直結するのです。
また、日常生活でのマウスピースの着脱方法やお手入れの方法などの説明も行われます。矯正治療中に注意すべき点も伝えられるので、治療上のルールは守りましょう。
定期検診
医師からマウスピースをまとめて受け取り、指定された期間に自宅で新しいマウスピースに交換します。治療を計画どおりに進めるには、忘れずに取り替えることが大切です。
定期的に歯科医院を受診し、治療の進行状況を確認します。定期検診の際に新しいマウスピースを受け取り、再び自宅で治療を続けます。
保定
インビザライン・ファーストの矯正治療が完了し、理想的な歯並びになったあとは、整った歯並びを維持するための保定が必要です。
保定期間は、リテーナーとよばれる特別な装置を使用します。リテーナーは、整えられた歯の位置を固定し、もとの位置への後戻りを防ぐ役割を果たします。
歯は生涯動くものであり、矯正治療直後は特に動きやすい状態です。治療の効果を維持するために、指示された期間リテーナーをしっかりと装着し続けましょう。
インビザライン・ファーストの費用
インビザライン・ファーストの費用相場は、450,000~600,000円程度です。
あくまで一般的な相場であり、治療を行う歯科医院や地域、治療の内容や症状の複雑さによって変動することがあります。具体的な料金や詳しい内容については、治療を希望する歯科医院で確認するとよいでしょう。
まとめ
インビザライン・ファーストは、こどもの混合歯列期に行うマウスピース矯正です。この時期は顎も発達途中なので、歯列と同時に顎の形状や位置も調整できます。効率的に歯科矯正を進めることができ、インビザライン・ファーストだけで矯正治療が終了することもあるでしょう。
大人になってから矯正治療が必要になった際も、ある程度歯や顎が整えられているため、治療期間が短くなり、費用も安く抑えられる可能性が高いのです。
インビザライン・ファーストを検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。